ゲーリー・プレーヤー

ゲーリー・プレーヤーは、1935年11月1日に南アフリカのヨハネスブルグで生まれました。父親は金鉱で働く労働者で、比較的裕福な家庭環境で育ちましたが、8歳の時に母親を亡くしています。14歳からゴルフを始め、18歳でプロに転向しました。当時、ゴルフ界はアメリカやイギリスの選手が中心でしたが、プレーヤーはアフリカ出身のゴルファーとして道を切り開き、南アフリカ、オーストラリアなど、世界各地のツアーで活躍しました。

彼のプロとしての優勝記録は1956年に始まり、1957年からはアメリカPGAツアーにも参戦しています。1959年には全英オープンでメジャー初優勝を飾り、その後、1961年にマスターズ、1962年に全米プロゴルフ選手権を制覇。そして1965年の全米オープンで優勝し、ゴルフ史上3人目となる「キャリア・グランドスラム」を達成しました。この快挙の翌年には、ジャック・ニクラスもキャリア・グランドスラムを達成しています。

1974年には世界ゴルフ殿堂入りを果たしました。同年の彼はスランプから見事に復活し、マスターズと全英オープンで優勝。さらにブラジルオープンでは世界初のラウンドスコア59を記録するなど、年間9勝を挙げる活躍を見せました。メジャー大会での優勝は1978年のマスターズまで続き、通算9勝を記録しています。これはベン・ホーガンと並び、歴代4位タイの記録です。PGAのレギュラーツアーでは通算24勝を挙げ、1978年のマスターズを含む年間3勝が最後の勝利となりました。国際試合を含めると、彼の優勝回数は100回を超えます。50歳以上の選手を対象としたチャンピオンズツアーでも、通算19勝を挙げています。

近年ではプレジデンツカップで国際選抜チームの監督を務めるなど、プロゴルフ界の重鎮として多大な尊敬を集めています。彼の故郷である南アフリカからは、アーニー・エルスやレティーフ・グーセンといった、世界トップクラスの選手が後に続いています。また、食生活においては白いパンを避け、ライ麦パンなどを好むことでも知られています。

プレーヤーのプレースタイルは、トーナメントの最終ラウンドで黒いウェアを着用することから「南アフリカの黒豹」と呼ばれ、世界中のファンを魅了しました。彼のゴルフに対する情熱と献身は、多くの人々に影響を与え続けています。

プロ優勝の内訳は、PGAツアーで24勝、南アフリカツアーで73勝、豪PGAで18勝、その他25勝。チャンピオンズツアーでは19勝、欧州・その他で15勝を挙げています。主な優勝には、全英オープン、マスターズ、全米オープン、全米プロゴルフ選手権などのメジャー大会の他、南アフリカオープン、オーストラリアン・オープンなどの各国オープン、そしてピカデリー・ワールドマッチプレー選手権などがあります。また、プレジデンツカップ国際選抜チームの監督を2回務めました。

引退後も競馬の世界にも関わり、競走馬の生産にも取り組んでいます。1974年には北ケープ州に牧場を取得。2003年の時点では110頭の繁殖牝馬と6頭の種牡馬を所有し、2009年にはアメリカでBreeders' Cup Sports and Racing Excellence Awardを受賞しました。

ゲーリー・プレーヤーは、ゴルフの技術だけでなく、その人間性、そしてゴルフ界への貢献を通して、世界中の人々から愛され続けている偉大なゴルファーです。

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