コウシュンカズラ

コウシュンカズラ（恒春葛）

基本情報

コウシュンカズラ（学名：Tristellateia australasiae）は、キントラノオ科に属するつる性の常緑低木です。この植物は、沖縄を中心に分布しており、特にマングローブ域や海岸岩場に生育しています。その特性から、環境省のレッドリストにおいて準絶滅危惧種（NT）とされています。

特徴

コウシュンカズラは、高さが約1メートルから5メートルに達し、つるは最大で約10メートルまで伸びます。他の植物に絡みつくように成長し、美しい foliage を形成します。葉は卵形または楕円形で、長さは5センチから12センチ、表面は無毛でやや薄い革質です。葉の先端が尖っており、対生に配置されています。また、葉の基部や上部には1から2対の突起状の蜜腺があります。

春から初冬にかけて、茎の先端には総状花序が現れ、鮮やかな星型の黄色い花を咲かせます。花は直径が約2センチから3センチで、5枚の花弁と10本の雄しべがあります。果実は直径約12ミリで、6から7個の翼を持ち、木質またはコルク質の翼を持つことで、風や水流によって広範囲に散布されます。これらの特徴から、他の植物との識別が可能です。

生息地

コウシュンカズラは主に沖縄島や先島諸島（宮古、伊良部、石垣、西表、与那国島）に自生しています。国外では、台湾や東南アジア、太平洋諸島、オーストラリアにも広がっています。この植物は熱帯から亜熱帯地域に広く分布していて、特に沖縄では多くの植栽が見られる一方で、野生個体は少数派です。

利用法

その美しい花の姿と長期間にわたって咲き続ける特性から、コウシュンカズラは庭木として非常に人気があります。特にパーゴラ、フェンス、生垣、そして公園や庭園においてよく利用されます。潮風にも強いことから、海岸近くでの植栽にも適しています。また、乾燥や過湿にも耐えるため、手入れがほとんど必要なく、特別な病虫害も見られません。剪定に関しては、冬の開花しない時期に込み合った枝を少し除去するだけで済みます。繁殖は挿し木や実生によって行われることが多いです。

結論

美しい花を提供し、環境への適応力も高いコウシュンカズラは、沖縄の庭や景観作りに一役買う存在です。長い生育期間と手間いらずの管理から、これからも庭木としての人気が続くことでしょう。

もう一度検索