コウリンタンポポ

コウリンタンポポ（紅輪蒲公英）

コウリンタンポポ（学名: Pilosella aurantiaca）は、キク科コウリンタンポポ属に分類される多年草です。ヨーロッパを原産とし、世界各地に帰化植物として分布を広げています。日本では、その鮮やかな花色が目を引きます。

分布

原産地はヨーロッパ中部から北部にかけての地域です。現在では、日本を含む北半球の広い範囲に帰化しており、様々な場所で見ることができます。近縁種であるキバナコウリンタンポポも同様にヨーロッパ原産で、日本や北アメリカに帰化しています。

特徴

コウリンタンポポは多年草であり、走出枝（ランナー）を伸ばして繁殖することがあります。草丈は10cmから50cm程度で、花茎は直立しています。茎や葉には剛毛が密生しているのが特徴です。葉は根元にロゼット状に集まって生えます。

花期は7月から8月頃で、茎の先端にタンポポに似たオレンジ色の頭花を咲かせます。頭花の直径は1.5cmから2.3cm程度で、舌状花のみで構成されています。舌状花には黒色の長毛が密生しており、短い腺毛も混じっています。舌状花の先端は深く5つに分かれています。

花が終わると、白色の冠毛を持つ果実ができます。果実は円筒形で、10本の筋があります。

外来種問題

コウリンタンポポはヨーロッパ原産の外来種であり、市街地でも見られる雑草として、道端などに生息しています。繁殖力が非常に強いため、在来植物の生育を脅かす可能性が指摘されています。日本には明治時代中期に渡来しましたが、外来生物法による規制は特にありません。北海道では、戦後にサハリンから侵入したと考えられており、北海道ブルーリストではA2ランクに指定され、生態系への影響を考慮した防除対策の必要性が検討されています。また、北アメリカでも悪性の雑草として扱われています。

参考文献

* 長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社、1976年6月1日。ISBN 4-586-30053-1。

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