コカ・コーラ セントラル ジャパン

コカ・コーラセントラルジャパン：中日本を彩ったボトラーの軌跡

コカ・コーラセントラルジャパンは、かつて中日本地域でコカ・コーラ製品の製造・販売を担っていたボトラーです。その歴史は複雑で、2度の設立と経営統合、そして最終的な吸収合併を経て、その名と役割を終えました。ここでは、コカ・コーラセントラルジャパンの設立から終焉までを詳細に解説します。

初代コカ・コーラセントラルジャパンの設立と拡大

2001年、富士コカ・コーラボトリングと中京コカ・コーラボトリングが経営統合し、初代コカ・コーラセントラルジャパンが誕生しました。富士コカ・コーラボトリングは神奈川県、静岡県、山梨県を、中京コカ・コーラボトリングは愛知県、岐阜県、三重県をそれぞれ担当していました。この経営統合により、広域をカバーするアンカーボトラーとしての地位を確立し、コカ・コーラウエストに次ぐ国内2番目の規模となりました。

初代コカ・コーラセントラルジャパンは、2005年に子会社であった富士コカ・コーラボトリングと中京コカ・コーラボトリングを吸収合併し、事業規模を拡大しました。筆頭株主は三菱商事でしたが、2011年にヨーロピアンリフレッシュメンツが株式を取得し、新たな筆頭株主となりました。

地域性の違いから、旧富士エリアと旧中京エリアでは営業や関連部署の管轄が分かれており、製品ラインナップにも差異が見られました。例えば、ジョージア ザ・ブレンドは旧中京エリアのみで販売され、ジョージア マイコーヒーやドクターペッパー500mlPETボトルは旧富士エリアのみで販売されていました。

関東地区4社の経営統合と2代目コカ・コーラセントラルジャパンの設立

2013年、コカ・コーライーストジャパン主導のもと、コカ・コーラセントラルジャパン、三国コカ・コーラボトリング、東京コカ・コーラボトリング、利根コカ・コーラボトリングの4社が経営統合しました。この際、初代コカ・コーラセントラルジャパンは会社分割により事業会社として2代目のコカ・コーラセントラルジャパンを新設し、持株会社である初代コカ・コーラセントラルジャパンはコカ・コーライーストジャパンに商号変更しました。

コカ・コーライーストジャパンへの吸収合併と終焉

2015年、コカ・コーライーストジャパンは、コカ・コーラセントラルジャパン（2代目）、三国コカ・コーラボトリング、東京コカ・コーラボトリング、利根コカ・コーラボトリングの4社を吸収合併し、事業会社化しました。これにより、コカ・コーラセントラルジャパンの商号は消滅し、その歴史に幕を閉じました。

製造拠点としての工場

コカ・コーラセントラルジャパンは、複数の工場を所有し、様々なコカ・コーラ製品を製造していました。2014年に生産部門がコカ・コーライーストジャパンプロダクツに移管されるまでは、以下の工場が稼働していました。

東海北工場（CTK）：PETボトル製品を製造。旧中京コカ・コーラボトリング時代は東海第一工場と呼ばれていました。近畿コカ・コーラボトリング向けのレギュラーサイズびん製品も生産していました。
東海南工場（CTM）：缶製品及びボトル缶製品を製造。旧中京コカ・コーラボトリング時代は東海第二工場と呼ばれていました。
名古屋工場（CNA）：無菌充填PETラインを有し、主にからだ巡茶などの無糖茶飲料の大型PET製品を製造。東日本や西日本の各ボトラーにも製品を供給していました。
静岡工場（CSI）：主に小ロット出荷の缶製品及びレギュラーサイズびん製品を製造。近畿コカ・コーラボトリングなど他ボトラーにも製品を供給していました。2019年時点ではコカ・コーラ ボトラーズジャパン 清水ディストリビューションセンターとなっています。

瓶製品復権への試み

2006年より、瓶入り飲料の自動販売機を積極的に導入し、市場の活性化を図っていました。東急ハンズ横浜店前に設置された自動販売機は、常に人だかりができるほどの人気を集めました。

セントラルジャパンが販売していた瓶飲料

コカ・コーラZERO及び煌を除き、コカ・コーラセントラルジャパンプロダクツ静岡工場で製造されていました。

コカ・コーラ
コカ・コーラZERO（製造は多摩工場）
ファンタグレープ
スプライト
HI-Cオレンジ
カナダドライジンジャーエール
カナダドライクラブソーダ（ミキサー用）
カナダドライトニックウォーター（ミキサー用）
* 煌（製造は富士ボトリング）

コカ・コーラセントラルジャパンは、その短い歴史の中で、中日本地域におけるコカ・コーラビジネスの発展に大きく貢献しました。その足跡は、日本のコカ・コーラボトラーシステムの歴史の一部として、語り継がれていくでしょう。

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