トニックウォーター

トニックウォーターは、炭酸水に様々な香草や柑橘類の皮から抽出したエキス、そして糖分を加えて作られる炭酸飲料です。その歴史は、熱帯地方の英国植民地時代に、マラリア予防のために飲まれていたことに始まります。

歴史と特徴

当初のトニックウォーターには、マラリアの治療薬としても用いられていたキニーネが含まれていました。このキニーネが独特の苦味をもたらし、その風味が好まれ広く飲まれるようになりました。しかし、医療用に使用されていた頃は、現在よりも多量のキニーネが使用されており、現在ではごく微量のキニーネまたは香料を使用する製品がほとんどです。

アメリカ食品医薬品局（FDA）では、トニックウォーター中のキニーネ含有量を83ppm以下に制限し、製品への含有表示を義務付けています。EUでも同様の表示義務があります。日本では、キニーネを含むキナ抽出物が食品添加物として認められていますが、使用量や表示に関する規制はありません。そのため、コスト面からキニーネを使用せず、香料で代用した製品がほとんどです。しかし、一部の輸入品にはキニーネが含まれています。

キニーネとアレルギー

トニックウォーターに含まれるキニーネを原因とするアレルギー反応の報告があります。特に、固定薬疹型のアレルギー症状として、口唇や口腔内のびらん、手指や足趾の紅斑が現れることが多いとされています。重症化すると中毒性表皮壊死融解症（TEN）に至るケースも報告されており、注意が必要です。このようなリスクがあるにも関わらず、日本ではキニーネの成分表示が義務化されていないため、問題視する声も一部で上がっています。

主なブランド

トニックウォーターには様々なブランドが存在します。

シュウェップス
カナダドライ
ウィルキンソン
木村飲料 カクテストニックウォーター
フェンティマンス - キナ抽出物（キニーネ）を使用
フィーバーツリー - 天然キナ抽出物（キニーネ）を使用
友桝飲料 n.e.oプレミアム - シークワーサー果汁入り
ポッカサッポロ TONIC WATER - ライム香料を使用（現在は終売）

トニックウォーターを使った飲料

トニックウォーターは、その独特の風味から蒸留酒との相性が良く、カクテルの材料として広く利用されています。製品によっては、その旨がラベルに記載されていることもあります。

蒸留酒ベースのカクテル例

ジン・トニック
ウォッカ・トニック
テコニック
ラム・トニック

リキュールベースのカクテル例

スプモーニ
シャルトリューズ・トニック
コアントロー・トニック

ノンアルコール飲料例

エスプレッソ・トニック

関連事項

* ジンジャーエール


トニックウォーターは、その歴史的背景と独特の風味から、多くの人々に愛される飲料です。しかし、キニーネによるアレルギー反応の可能性もあるため、成分表示を確認し、注意して楽しむことが大切です。

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