ココポ

ココポ

ココポ（英: Kokopo）は、南太平洋に浮かぶ島国パプアニューギニアの東部に位置する、ニューブリテン島東部の都市です。この地域における行政の中心地であり、東ニューブリテン州の首府として機能しています。太平洋に面した温暖な気候の地にあり、過去には重要な歴史的役割を担ってきました。

歴史

ココポの歴史は、19世紀末のヨーロッパ列強による植民地化に遡ります。1884年、この地を含む地域がドイツの統治下に入り、ドイツ領ニューギニアが成立しました。当初、ココポは「ヘルベルツヘーエ」と呼ばれ、重要な拠点として発展しました。1889年にはその重要性から、ドイツ領ニューギニアの首都が置かれますが、1910年にはより港湾機能に優れた近隣のラバウルへと首都機能が移転されました。

第一次世界大戦後、ドイツ領ニューギニアは崩壊し、国際連盟の委任統治領としてオーストラリアの管理下に置かれます。第二次世界大戦中の1942年には大日本帝国がこの地域を占領し、ラバウル周辺は激しい戦いの舞台となりました。終戦に伴う日本の敗戦後、再びオーストラリアによる統治を経て、1975年にパプアニューギニアが独立を果たしました。

現代史において特筆すべき出来事は、1994年に発生したタブルブル火山とブルカン火山の同時噴火です。この大規模噴火により、長らく州都であったラバウルは甚大な被害を受け、行政機能の維持が困難となりました。これを受け、東ニューブリテン州の州都はココポに移転され、現在に至っています。

地理と交通

ココポは、ニューブリテン島の北東部に位置しており、かつての州都ラバウルからは幹線道路経由でおよそ30キロメートル離れています。地理的には火山活動が活発な環太平洋造山帯の一部にあたります。

交通の面では、近郊に位置するラバウル空港（旧マタピ空港）が空の玄関口として機能しています。この空港は、噴火で被害を受けた旧ラバウル空港に代わるものとして建設され、ココポや周辺地域へのアクセスを担っています。

人口

ココポの人口は、過去数十年にわたり着実に増加傾向を示しています。以下に主要な時点での人口データを示します。

1980年9月22日時点：2,200人
1990年7月11日時点：3,152人
2000年7月9日時点：4,528人
2011年7月10日時点：6,677人

これらのデータから、1980年から2011年の約30年間で人口はおよそ3倍に増加しており、特に2000年以降の伸びが顕著であることがわかります。

言語

ココポでは、パプアニューギニアの公用語の一つである英語が行政やビジネスの場で広く使われています。また、国民の大半が使用する共通語であるトク・ピシン語も日常的に用いられます。加えて、この地域固有の言語であるクアヌア語もコミュニティ内で継承され、使用されています。

ココポは、その複雑な歴史、州都としての役割、そして独自の文化を持つ、パプアニューギニアにおける重要な都市の一つです。

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