東ニューブリテン州

東ニューブリテン州

東ニューブリテン州は、南太平洋に位置する独立国家パプアニューギニアの行政区画の一つです。同国の主要な島嶼部を構成するニューブリテン島の東側をその領域としています。州の行政の中心である州都はココポに置かれています。

かつて州都であったラバウルは、美しい湾と火山に囲まれた景勝地として知られていましたが、1994年に発生したタブルブル火山とボルカン火山の激しい噴火により、市街地が壊滅的な被害を受けました。この壊滅的な噴火を受けて、州都機能は近隣のココポへと移転されることとなりました。現在でもラバウルは歴史的な重要性を持つ場所ですが、州の行政機能はココポに集中しています。

地理的に見ると、東ニューブリテン州の陸地面積は約15,816平方キロメートルに及びます。人口に関する直近の情報としては、2011年の国勢調査で328,369人がこの州に居住していると記録されています。この面積と人口に基づくと、1平方キロメートルあたりの人口密度は約21人となり、比較的低い密度であることがわかります。

経済面では、農業が重要な柱となっています。特にココアとコプラは、州の主要な輸出品目として地域経済を支えています。これらの産品は、州内の肥沃な土地と気候条件を活かして生産されています。また、豊かな自然環境や独特の文化を背景にした観光業も、州経済にとって無視できない重要な役割を果たしています。噴火によって形成された景観や、伝統的な文化に触れることができる点が観光客を惹きつけています。

行政組織としては、州はいくつかの下位区分に分けられています。東ニューブリテン州は、現在以下の4つの地区によって構成されています。

ガゼル地区
ココポ地区
ポミオ地区
ラバウル地区

これらの地区は、それぞれの地理的、文化的特徴を持ちながら、州全体の運営に関わっています。

言語に関しても多様性が見られます。州内で話されている言語の多くは、広範なオーストロネシア語族に属しています。具体的には、以下のような言語が確認されています。

ウヴォル語（Lote語としても知られています）
トゥムイプ語（Tomoip語とも呼ばれます）
トライ語
ナカナイ語
マムシ語
マンセン語
メラメラ語
メンゲン語

一方で、オーストロネシア語族に属さない非オーストロネシア系言語も複数存在します。文献によっては、これらの言語群についても言及されています。

コル語
スルカ語
タウリル語
バイニン語（カカト語、マカカト語とも呼ばれます）
ブタム語（この言語は既に消滅したとされています）
ペレアタ語（アタ語、ワシ語とも呼ばれることがあります）

このように、東ニューブリテン州は地理的な特徴、歴史的な出来事、経済活動、そして多様な言語が混在する、パプアニューギニアの中でも特に興味深い地域の一つと言えます。

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