コシジロウミツバメ

コシジロウミツバメ

コシジロウミツバメ（腰白海燕、学名: Hydrobates leucorhoa）は、ミズナギドリ目ウミツバメ科に属する鳥です。主に大西洋や太平洋に分布しています。この鳥は、特に夏季にアメリカ合衆国北東部や西部、ヨーロッパ北部、さらにコマンドル諸島と千島列島で繁殖します。日本でも夏の間に大黒島や三貫島に繁殖のために飛来するため、この地域では夏鳥として知られています。

形態と特徴

コシジロウミツバメは全長が約19から22センチメートル、翼を広げた状態での幅は45から48センチメートル、体重は約40から50グラムです。特徴的なのは、尾羽が深い切れ込みを持ち、「V」字形状になっている点です。この鳥の羽毛は主に黒褐色で被われていますが、西太平洋の個体群では尾羽を覆う羽毛が白色を呈します。これは和名の由来にもなっており、その白色部分にはしばしば黒い縦縞が見られます。大雨覆の上面羽毛は淡褐色で、飛んでいる際には帯模様が観察できます。また、嘴や後肢は黒い色をしています。

分類

この種はかつてウミツバメ属に分類されていましたが、最近の研究によってオーストンウミツバメ属に再分類されました。2つの亜種が存在し、それぞれ以下の通りです。

• - Hydrobates leucorhous leucorhous (Vieillot, 1818) - コシジロウミツバメ
• - Hydrobates leucorhous chapmani (Berlepsch, 1906)

生態

コシジロウミツバメは海洋棲の鳥で、高度差を利用して飛行します。強風を利用し急降下し、風の力を使って再度高く飛ぶ「ダイナミック・ソアリング」という飛行方法が特徴です。また、素早く羽ばたきながら飛ぶことも得意です。食性は動物食で、主に魚類、甲殻類、軟体動物を捕食します。繁殖に際しては、岩の隙間や地面に横穴を掘って巣を作ります。この巣には落ち葉や枯草を敷くことがあります。繁殖期は6月から7月で、通常1度に1個の卵を産卵し、雌雄が交代で抱卵します。抱卵期間は約41から42日で、雛は約80日後に巣立つことが一般的です。

日中はほとんど鳴かず、日没後に繁殖地周辺で特徴的な「テッケテケテートォッテットトトト」といった声を発します。

人間との関係

日本においては、1951年に北海道東部の厚岸町に所在する大黒島が「大黒島海鳥繁殖地」として国の天然記念物に指定されており、コシジロウミツバメの保護活動が行われています。

このように、コシジロウミツバメはその独特な生態や形態から注目されている鳥であり、今後の調査や保護活動が期待されています。

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