コジマ

株式会社コジマ：激動の半世紀を超えて―家電量販業界のパイオニア

1955年、栃木県宇都宮市にて小島電気商会として創業した株式会社コジマは、日本を代表する家電量販店の1つとして、長く親しまれてきました。創業から現在に至るまで、数々の挑戦と変革を繰り返しながら、日本の家電業界に大きな足跡を残しています。

創業から業界トップへ：安さを追求した戦略

個人商店としてスタートしたコジマは、1963年に株式会社小島電機として法人化。その後、栃木県内での多店舗展開を経て、1984年には県外へ進出、関東を中心に勢力を拡大していきました。

「安値に挑戦」「安値日本一への挑戦」「安値世界一への挑戦」といったキャッチコピーで知られるように、コジマは常に価格競争力を武器に成長。1993年には社名を株式会社コジマに変更し、ヤマダ電機、ケーズデンキとともに「北関東YKK」と呼ばれる家電量販店3社の一角として、激しい競争を繰り広げました。その結果、1997年には業界トップのベスト電器を抜き、家電量販店売上高日本一に輝き、2001年には売上高5,000億円を突破する快挙を達成しました。

挑戦と転換期：M&Aとビックカメラとの資本業務提携

しかし、2002年にはヤマダ電機に首位を奪われ、2003年にはメインバンクの経営破綻が経営に打撃を与えました。2009年には222店舗を展開していましたが、2012年3月期の決算では業界7位に低迷。

それまで完全直営主義を貫いてきましたが、2012年、コジマはビックカメラとの資本業務提携を発表。ビックカメラの子会社となり、経営再構築に乗り出しました。この決断は、コジマの歴史における大きな転換点となりました。

ビックカメラグループの一員として：新たなブランド戦略

ビックカメラグループ入り後、コジマは創業家による経営から撤退し、ビックカメラの色を濃く反映。店舗ブランドも「コジマ×ビックカメラ」に多く転換し、現在では主力ブランドとなっています。その他、「ソフマップ×コジマ」や「コジマアウトレット」といった業態も展開しています。

ビックカメラグループ傘下入り後も、店舗のスクラップアンドビルドや業態転換を進め、効率的な経営体制の構築に努めてきました。2022年には、最後の「コジマ」単独店舗も「コジマ×ビックカメラ」に転換され、ブランドの統一が完了しました。

コジマの歴史を彩るもの：独自ブランド、サービス、CM

コジマは、長年にわたって独自のブランド商品「フレッシュグレー」を展開してきた他、ポイントカード、長期保証、独自のインターネットプロバイダサービス「コジマネット」（現在はECサイト）など、様々なサービスを提供してきました。

CMでは、俳優の青柳文太郎氏や生島ヒロシ氏、小池栄子氏などを起用するなど、幅広い世代に訴求する戦略を展開してきました。現在も、ビックカメラとの共同CMで親しみやすいイメージを演出しています。

課題と未来：変化への対応

コジマは、これまで家電量販業界の激動を乗り越えてきました。しかし、近年ではECサイトの台頭や競争激化といった新たな課題に直面しています。これからも、顧客ニーズの変化や市場環境の変化に対応しながら、持続的な成長を目指していくことが求められています。

まとめ

株式会社コジマは、創業から現在に至るまで、常に時代の変化に対応し、進化を続けてきました。安さを武器とした戦略から、ビックカメラグループの一員として顧客満足度向上を目指す戦略へと転換し、新たな時代を切り開いています。今後も、コジマの挑戦は続いていくでしょう。

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