コックと泥棒、その妻と愛人

『コックと泥棒、その妻と愛人』（The Cook, the Thief, His Wife & Her Lover）は、1989年に公開されたイギリスとフランスの合作映画であり、ピーター・グリーナウェイが監督と脚本を務めました。

概要

物語は、ある高級フレンチレストランを舞台に展開されます。レストランの常連客である粗暴な泥棒、その泥棒に虐げられる妻、そして妻と恋に落ちる学者が織りなす、欲望と愛憎が渦巻く人間関係を描いています。

悪役アルバートを演じるのは、後に『ハリー・ポッター』シリーズでアルバス・ダンブルドアを演じるマイケル・ガンボンです。また、衣装はジャン＝ポール・ゴルチエ、料理はイタリア人シェフのジョルジオ・ロカテッリが担当しています。

ピーター・グリーナウェイ監督は、作品ごとに異なるコンセプトや素材にこだわりますが、本作では「色彩」を重要なモチーフとして採用しています。シーンごとに赤、青、黄、緑と、セットや衣装の色が大胆に変化していく演出は、視覚的なインパクトを与えます。

ストーリー

大泥棒のアルバートは、自らが経営するフレンチレストラン「ル・オランデ」を毎夜のように訪れます。彼はグルメを気取っていますが、実際には味の区別がつかず、傍若無人な振る舞いを繰り返します。レストランのシェフであるリチャードは、そんなアルバートを内心では嫌悪していましたが、恐れて何も言えませんでした。

アルバートの妻であるジョジーナは、夫から日常的に虐待を受けており、恐怖を感じながら生きていました。そんな中、彼女はレストランの常連客である学者マイケルに惹かれていきます。リチャードの協力を得て、二人はレストランの厨房で密会を重ねるようになります。しかし、やがて二人の関係はアルバートに知られてしまい、事態は悲劇的な方向へと進んでいきます。

絶望に暮れるジョジーナは、リチャードに助けを求め、アルバートに対して凄惨な復讐を遂げるのでした。

キャスト

リチャード - リシャール・ボーランジェ（谷昌樹）：シェフ
アルバート・スピカ - マイケル・ガンボン（壤晴彦）：泥棒団の頭目
ジョジーナ・スピカ - ヘレン・ミレン（滝沢久美子）：アルバートの妻
ミッチェル - ティム・ロス（桐本琢也）：アルバートの手下
マイケル - アラン・ハワード（伊藤和晃）：レストランの客・学者
コリー - キアラン・ハインズ：アルバートの仲間


この映画は、人間の欲望、暴力、愛憎を描いた、刺激的な作品として知られています。

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