コナコーヒー

コナコーヒー

「コナコーヒー」とは、アメリカ合衆国ハワイ州に位置するハワイ島の西岸部、通称「コナコースト」と呼ばれる地域で主に栽培・生産されるコーヒーの総称です。その品質の高さから、世界の主要なコーヒーとして名高いブルーマウンテンやキリマンジャロと並び、「世界三大コーヒー」の一つに数えられています。

概要

アメリカ合衆国において、商業規模でコーヒーを生産しているのはハワイ州のみであり、その中でもコナコーヒーは特に知られています。その品質は高く評価され、時にはホワイトハウスでも供されるほどです。また、日本のコーヒー関連企業であるUCCやドトールコーヒーも、コナコーストに観光農園を展開するなど、国際的にも注目されています。

コナコーヒーの味わいの特徴は、雑味がなく、すっきりとした、しかし嫌味のない上品な酸味にあります。この酸味は、単品で楽しむだけでなく、他のコーヒー豆とのブレンドに用いると、全体の風味に明るく質の良い酸味を与える効果があると言われています。

価格と流通

世界的に見て、ブルーマウンテンに次いで高価なコーヒー豆の一つとされています。その価格が高い理由としては、単なる希少価値だけでなく、コーヒー豆の主要生産国の多くが開発途上国であるのに対し、ハワイ州は先進国であるため、人件費や土地利用にかかるコストが高いことが挙げられます。この高価格帯であることや人気ゆえに、市場には残念ながら偽物や品質の低いブレンドも多く流通しています。

「コナ・ブレンド」について

高価な純粋なコナコーヒーは希少であるため、一般的に流通している「コナコーヒー」と称される製品の多くは、実は他のコーヒー豆とブレンドされた「コナ・ブレンド」です。ハワイ州の法律では、製品全体の重量に対してコナ産のコーヒー豆が10%以上含まれていれば、「コナ・ブレンド」として表示することが許可されています。したがって、比較的安価な製品は、コナ産コーヒー豆の比率が低い「コナ・ブレンド」である可能性が高いため、購入時には配合比率を確認することが推奨されます。

ハワイ州内の他産地

ハワイ州内では、コナ地域以外にもコーヒー生産が行われています。例えば、カウアイ島やマウイ島などでも独自のコーヒーが栽培されており、それぞれ異なる風味特性を持っていますが、コナコーヒーはその代表格として広く認知されています。

産地訪問

コナコーヒーの主な栽培地域であるコナコーストは、「コナコーヒー・ベルト」として知られています。この地域は、ハワイ島の主要な街の一つであるカイルア・コナの近くに位置し、観光客や地元住民がコーヒー農園を見学したり、直売店を訪れたりすることが盛んに行われています。

コナコーヒー・ベルトは、カイルア・コナの市街地やコナ国際空港から、島の中央にそびえるフアラライ山の中腹、海抜およそ500メートル付近に広がっています。具体的には、州道190号線から分岐する州道180号線（North Kona Roadとも呼ばれる）沿いに多く点在しており、ホルアロアの町を通り、さらに南へ進んでカイナリウで州道11号線に合流した後、ケアレケクアやホーナウナウのあたりまで続いています。この地域を訪れることで、コーヒー栽培の様子を間近で見学し、収穫や精製のプロセスについて学び、新鮮なコナコーヒーを味わう体験ができます。

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