コナベーション

コナベーションの概念と背景

コナベーション、またはコナーベーション（英: conurbation）は、発祥の異なる複数の都市が近接し、発展することによって行政区分の境界を超えて連結し、1つの広域都市圏を形成する状態を指します。この概念は、1915年にパトリック・ゲデスが著書『Cities In Evolution』で初めて提唱しました。

語源

コナベーションという言葉は、ラテン語の接頭辞「con-」が「共に」の意味を持ち、形容詞「urban」が「都市化した」を示し、接尾辞「-ate」が「～させる」という動詞を作るもので構成されています。最後に名詞を作るための接尾辞「-tion」が追加され、最終的に「conurbation」という言葉が形成されたのです。日本語では「連合都市」「連接都市」などの訳がありますが、短母音の「コナベーション」として使われることが多いです。

歴史的背景

コナベーションという概念は、特に産業革命によって労働者が都市に集まり、急速な都市化が進んだ欧米における工業都市の発展を説明するために生まれました。この背景には、当時の社会[[進化論]]が影響を与えており、自然科学の進化論をヒントにした一つの社会的概念ともいえます。

イギリスにおいては、この言葉は大都市圏に近い意味で使われ、例えば「ロンドン・コナベーション」はロンドン大都市圏を指しています。

コナベーションの類型

最初は第二次産業労働者が多く住む工業都市を想定するケースが多かったため、近接する都市同士の労働市場に相関がない場合はコナーベートとは言えないとされていました。しかし現在では、この用語は第三次産業が盛んな都市にも適用できるようになり、都市圏として連続している地域はコナーベーションと見なされます。また、日本では、より狭い範囲に限定して市[[街地]]が連続した地域を指す使い方の傾向が強いです。さらに、コナーベーションよりも狭い範囲に人口が密集した地域は「人口集中地区」（Densely Inhabited District, DID）と呼ばれます。

コナベーションの2つの主要類型

コナベーションは、大きく分けて2つの類型に分類できます。

1. 突出した人口集中地区と周辺住宅地: このタイプでは、一つの人口集中地区（DID）が存在し、それに連なる市[[街地]]や郊外が含まれます。代表的な例には、工業都市としての大ロンドンや日本の首都圏、近畿圏、中京圏などがあります。商業都市としては札幌、仙台、那覇の都市圏が挙げられ、歴史的には江戸時代の江戸や京、仙台もこの類型に該当します。

2. 複数の人口集中地区と周辺住宅地: こちらは目立った一つの人口集中地区がなく、複数の主な人口集中地区が連携して形成される都市圏を指します。工業都市の例にはオランダのランドスタットやドイツのルール地方があり、現在の日本でも関門都市圏や広島[[都市圏]]が該当します。市町村合併による例では、北九州市やさいたま市、静岡市などがあります。

総論

コナベーションは、単なる都市の集まりを超えた、経済や社会の相互作用が見られる地域構造を示します。これにより、都市間の競争や協力、さらには住民のライフスタイルにも影響を与えており、ますます重要な概念と考えられています。

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