コバック

株式会社コバック

株式会社コバック（英: KOBAC Co., ltd.）は、愛知県豊田市に本社を構え、自動車の車検や整備サービスを全国規模で展開するチェーン事業を主とする企業です。

概要

当社の歴史は1959年に遡り、愛知県豊田市にて個人商店「小林モータース」として創業したことに始まります。地域密着型の自動車整備工場として運営を続け、1976年には事業の拡大に伴い、小林モータース株式会社として法人化を果たしました。現在の社名である株式会社コバックへ変更したのは1991年であり、この時「車検のコバック」という屋号を掲げ、フランチャイズ（FC）システムを基盤とした本格的なチェーン展開を全国に向けて開始しました。以降、日本各地に直営店とフランチャイズ契約店を積極的に展開し、自動車整備・車検サービスのネットワークを構築しています。サービスを提供する工場の運営に加えて、自動車整備士の人材育成にも力を入れており、本社敷地内には愛知県知事の認定を受けた訓練校である「コバック車検大学校」を設置・運営しています。現在の店舗数は、直営店とフランチャイズ契約店を合わせて552店舗に上ります。

沿革

創業の地である豊田市小坂町から、1967年には現在の陣中町に事業所を移転しました。自動車整備工場としての体制を強化し、1971年には名古屋陸運局の指定工場として認可を取得しました。法人化を果たした1976年を経て、1981年には西三河地域で初となるロータリー式車検自動ラインを導入し、年間車検台数が661台に達するなど、事業効率と規模の拡大を図りました。1982年には現社長である小林憲司氏が入社し、同業者やガソリンスタンドとの連携を開始。1986年には新聞折込チラシによる集客をスタートさせ、異業種との提携取次店を30店舗開発するなど、新たな販売促進・連携手法を導入しました。1987年には「車検センター新豊田」として新店舗をオープンさせ、車検サービスのコーポレートアイデンティティ（CI）を構築。1988年にはガソリンスタンドとの業務提携を20拠点に拡大し、事業者向けの「車検販売マニュアル」を開発しました。

1990年代に入ると、事業のシステム化とマニュアル化を本格的に進め、FC事業部を設立。1990年12月には株式会社コバックへ社名変更し、「車検のコバック」を商標として確立しました。1991年には「車検のコバック」FCシステムを開発し、全国へ向けて発表。並行して、整備士のパート・アルバイト採用システム（PAシステム）を開発しました。1992年には愛知県半田市にFC1号店をオープンさせ、チェーン展開が具体的に始動します。1993年には独自のコンピューターシステム「コバックISNコンピューターシステム」を開発し、業務効率化とネットワーク強化を図りました。1994年には整備診断保証システム「ロイヤル保証」を全店に導入し、顧客信頼性の向上に努めました。直営店の拡大に加え、全国初のドライブスルーシステム導入など革新的なサービスも開始しました。この年、FC店ネットワークは50拠点に拡大し、直営豊田陣中店では年間8,103台、月間1,017台という車検台数の新記録を達成しました。

1995年には、お客様が作業を見守ることができる「60分立会車検」サービスを開始し、透明性の高いサービスを提供。関東、東海、九州地区でラジオCMを開始し、知名度向上に努めました。1996年には本社を移転・新築し、3階には「コバック車検大学校」を開設。教育事業を本格化させました。この時期には直営店の出店も積極的に行われました。1997年にはFC店ネットワークが100拠点を突破しました。1998年には直営豊田陣中店で日間の車検台数新記録（51台）を樹立。「コバックタイヤ」としてタイヤ販売事業を拡大し、鈑金塗装事業のネットワーク化にも着手しました。1999年には安城箕輪店を開店。2000年にはFCネットワークが200拠点を突破するなど、2000年代に入っても拡大は続きました。2001年には東海地区でのTVCMを開始。

2002年には本社および一部直営店で品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001の認証を取得しました。2003年には鈑金塗装館のCIを「鈑金のモドーリー」へと変更し、ブランド戦略を再構築。同年、「コバック車検大学校」が職業能力開発関係の優良事業所として、厚生労働大臣表彰を受賞するという栄誉に浴しました。2005年にはFCネットワークが300拠点を突破。2006年には一部直営店がスーパー車検専門店としてリニューアルオープンしました。2007年にはオイル交換専門の新業態「オイルロニーズ」を立ち上げ、多角化を進めました。2009年には直営10号店となる豊明店をオープン。その後もネットワークの拡大は続き、2012年には400拠点、2015年には444拠点、そして2017年には500拠点を突破しました。2015年にはハピカ国際ビルも竣工しています。

キャラクター戦略

コバックは1991年の屋号変更と同時に、マスコットキャラクター「コバサン太」を誕生させました。これは、企業がキャラクターを活用したプロモーションを早期に導入した事例の一つとして注目されます。コバサン太は、2014年の「ゆるキャラグランプリ」に初出場し、企業部門で全国2位、総合で21位という好成績を収め、その存在感を広く知らしめました。コバックには「コバサン太」以外にも複数のキャラクターが存在しており、それぞれが特定のイメージや役割を担う形で活用されています。

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