コブラ (架空の人物)

コブラ：銀河を駆ける宇宙海賊の軌跡

謎多き宇宙海賊、コブラ

コブラは、寺沢武一氏原作の漫画およびアニメ作品を彩る、カリスマ性と謎に満ちた主人公です。愛機タートル号に乗り込み、左腕に仕込んだサイコガンで銀河系にその名を轟かせた、孤高の宇宙海賊として知られています。

かつては海賊ギルドの残忍なやり方に反発し、彼らの艦を次々と撃墜していましたが、幹部のバイケンを逃したことで左目を負傷、命を狙われる身となります。この絶え間ない逃亡劇に疲弊したコブラは、3年前（映画版では2年前、旧TV版では5年前）に自身の死を偽装し、アウトローの世界から姿を消します。記憶を封じ、顔も整形し、平凡なサラリーマン「ジョンソン」として静かな生活を送っていたのです。しかし、トリップムービーの誤作動がきっかけで、過去の記憶が蘇り、再び海賊稼業に身を投じることになります。

義理と人情を大切にする、異色の海賊

コブラは、一見すると三枚目で冗談めかした言動も多いですが、いざという時は頼もしいヒーローとして活躍します。正統派海賊を理想とし、義理と友情を大切にし、無用な殺戮を嫌います。あくまでも「スマートに」仕事をこなすことを信条とし、殺人を伴う仕事はためらわずに断ることもあります。しかし、悪党や自衛のためには容赦なく立ち向かい、時には冷酷な一面を見せます。

彼の生業は、厳密には宇宙海賊ではなく窃盗犯。標的は高価な美術品や財宝といった「高嶺の花」であり、難攻不落の警備を突破するスリリングな仕事に生きがいを感じています。時には、古代文明の遺物などをめぐる争いに巻き込まれ、銀河パトロールよりも憎むギルドと戦うこともあります。しかし、コブラ自身は銀河を救うことなど意図しておらず、あくまで「自分だけは死にたくない」というシンプルな動機で行動しているのです。

コブラはかなりの女好きですが、好むのは20代前後のグラマーな地球人型女性に限られています。それ以外の女性には全く興味を示しません。美女には優しく接する一方、敵対する女性には容赦しません。

超人的な肉体能力と、愛用の武器

コブラは、500kgの握力、100メートル走5秒という驚異的な身体能力を誇ります。高所からの落下や重傷にも耐えうる高い生命力も持ち合わせています。これらの能力について、コブラ自身は「コーンフレークのおかげ」「赤まむしドリンクのおかげ」など、とぼけた説明しかしません。

コブラのトレードマークといえば、愛用の武器、サイコガンとパイソン77マグナムです。

サイコガン：精神エネルギーを操る究極の武器

サイコガンは、コブラの精神エネルギーを破壊エネルギーに変換して発射する銃です。地球の鉄砲鍛冶、不知火鉄心が製作しました。コブラの精神力に依存するため、弾切れすることはなく、発射までのタイムラグもありません。精神力の強さに応じて威力が変化し、気絶させる程度の低出力から、戦艦を撃沈できるほどの高出力まで自在に調整できます。弾道も操ることができ、障害物の陰に隠れた敵にも正確に命中させます。しかし、コブラの精神状態によって威力が左右されるという弱点もあります。

パイソン77マグナム：信頼の回転式拳銃

サイコガンが通用しない相手には、19世紀の技術を用いた回転式拳銃、パイソン77マグナムを使用します。コルト・パイソンをモデルとしたこの銃は、並外れた威力と反動を誇り、コブラの並外れた腕力あってこそ扱えるものです。電子制御装置が組み込まれており、コブラ以外の人間は発射できません。装弾数は6発と少ないものの、水中や宇宙空間でも発射できるなど、高い信頼性を誇ります。

コブラの年齢と偽名

コブラの年齢は正確には不明ですが、いくつかの描写から40歳前後と推定されます。しかし、本作の時代設定が現代から約3000年後であることを考慮すると、単純な年齢換算はできません。

彼は「ジョンソン」や「ジョー・ギリアン」など、さまざまな偽名を使用していました。

コブラというキャラクターの魅力

『コブラ』が連載された1970年代の少年誌では、少年が主人公であることが一般的でした。しかし、コブラは葉巻をくわえた成人男性であり、女性キャラクターとのロマンスも描かれるなど、当時の少年漫画としては異色の存在でした。精神力をエネルギーに変換する銃というアイデアも、当時としては画期的であり、後の作品にも大きな影響を与えました。

様々な声優によるコブラ

コブラを演じた声優陣も、作品によって異なります。映画版では松崎しげる氏、TVアニメ版では野沢那智氏、OVA版では内田直哉氏などが担当し、それぞれ異なる魅力のコブラを演じきりました。

コブラのその後

コブラは「ラグ・ボール」編で一度は罪状を帳消しにされていますが、その後も数々の事件に巻き込まれ、銀河パトロールに追われる身となります。それでも彼は、己の信条を貫き、己のやり方で悪と戦い続けます。

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