コホルス

コホルス（羅: cohors）は、古代ローマ軍において、重装歩兵を主体とするローマ軍団（レギオ）を構成する重要な単位であり、現代の軍隊編制における大隊に相当すると考えられています。日本語では歩兵大隊などと訳されることがあります。

コホルスの構成

通常、1個コホルスは3個マニプルス（歩兵中隊）で構成され、さらに1個マニプルスは2個ケントゥリア（百人隊、歩兵小隊）で構成されていました。したがって、1個コホルスは合計で6個ケントゥリアから構成されることになります。ただし、各レギオ（軍団）に所属する第1コホルスは、特別な名誉部隊として扱われ、通常のコホルスの2倍の兵力で構成されていました。

コホルスの規模

1個コホルスの兵員数は時代によって異なりました。ガイウス・マリウスによる軍制改革以降は、定員600人ほどと計算されていましたが、実際には定員割れを起こしていることが多かったようです。アウグストゥスの治世には、1個コホルスの定員は450人に変更されました。

指揮系統

コホルスの指揮は、上位のケントゥリオ（百人隊長）が担当し、下位のケントゥリオに命令を下すことで部隊を統率しました。コホルスの中でも、特に第1コホルスの指揮は、「プリムス・ピルス」と呼ばれる筆頭ケントゥリオが執り行っていました。プリムス・ピルスは、レギオ（軍団）内でも特に重要な地位を占めていました。

コホルスは、ローマ軍団の中核をなす部隊として、その戦術や組織において重要な役割を果たしました。その構成や規模、指揮系統は時代によって変化しましたが、ローマ軍の強さを支える基盤の一つであったことは間違いありません。

関連項目

ローマ軍
ローマ軍団
* 十分の一刑

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