ローマ軍

ローマ軍：古代ローマの軍事力

ローマ軍とは、古代ローマ（王政、共和政、帝政）における軍隊の総称です。ラテン語では「エクセルキトゥス（exercitus）」と呼ばれ、「ローマーニー・エクセルキトゥス」や「ノステル・エクセルキトゥス（我らの軍隊）」などの呼称も用いられました。

ローマ陸軍

概要

ローマ陸軍は、時代によって異なりますが、大きく分けてローマ市民権を持つ者で構成される「レギオー（軍団）」と、市民権を持たない者で構成される「アウクシリア（支援軍）」からなります。レギオーは陸軍の編成単位でもあり、個々の軍団に支援軍が付随して戦闘を行いました。

編成単位としてのレギオーは、10個のコホルス（歩兵大隊）、1個のコホルスは3個のマニプルス（歩兵中隊）、1個のマニプルスは2個のケントゥリア（百人隊）で構成されていました。つまり、1個のレギオーは60個のケントゥリアからなり、理論上は6,000名の兵士がいたことになりますが、実際には定員割れも多かったようです。

共和政時代のローマ陸軍では、本土イタリアではコンスル（執政官）とプラエトル（法務官）が、属州では属州総督が全軍の指揮権を握りました。軍団長は、ガイウス・マリウスの軍制改革以降、レガトゥス（副官）の中から選ばれるレガトゥス・レギオニスが務めることが多く、各軍団の運用は6名のトリブヌス・ミリトゥム（兵士長）によって補佐されました。

帝政時代に入ると、国境が確定し、防衛が主な目的となります。ローマの国境は、ケルト人、ゲルマン人、パルティアの侵攻頻度から、ライン川、ドナウ川、ユーフラテス川に重点が置かれました。これらの地域に駐屯する軍団は精鋭として知られ、その駐屯地は「ミニ・ローマ」とも呼ばれる施設を備えていました。特にライン川・ドナウ川沿いのヨーロッパ諸都市には、ローマ軍駐屯地を起源とするものが少なくありません。

各時代のローマ軍

初期ローマ軍（紀元前550年 - 紀元前300年）
共和制中期のローマ軍（紀元前300年 - 紀元前107年）
帝政ローマ期のローマ軍（紀元前30年 - 284年）

ローマ[[海軍]]

ラテン語で海軍は「クラッシス（Classis）」と呼ばれます。

ローマは農業中心の社会であったため、陸戦には強かったものの、海軍の整備は遅れていました。海軍がいつ設置されたかは定かではありませんが、紀元前4世紀頃にはローマ[[海軍]]に関する記述が見られます。

当時の地中海世界では、フェニキア人が海上交易で勢力を広げており、カルタゴを築き、ローマと対立していました。フェニキア人は造船技術に長けており、レバノン杉を使い、高性能な大型船舶を建造していました。フェニキア海軍は地中海で最強とされ、ローマ[[海軍]]は操船術や練度、船の性能で劣り、海戦で敗北することも多かったようです。

関連項目

古代ローマの軍事（en:Military of ancient Rome）
ローマ陸軍（en:Roman army）
ローマ[[海軍]]（en:Roman Navy）
ローマ市民権（en:Roman citizenship）
カストラ
ローマ軍団
ローマ帝国

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