アウグストゥス

アウグストゥス (オクタウィアヌス)

アウグストゥス（紀元前63年9月23日 - 紀元14年8月19日）は、ローマ帝国の初代皇帝であり、共和政ローマの政治家としても知られています。彼の本名はオクタウィウスで、カエサルの養子となったことで著名になりました。政権を掌握し、元首政を確立したことから、後の「パクス・ロマーナ」と呼ばれる平和の時代をもたらしました。彼の名前は、ラテン語で「尊厳ある者」を意味し、英語の「August」の語源ともなっています。

幼少期と家族背景

アウグストゥスは、ローマの騎士階級に生まれました。父ガイウス・オクタウィウスと、カエサルの姪にあたる母アティアの間に生まれ、幼少期は祖父のもとで過ごしました。彼は非常に若い頃から、政治家としての地位を狙っていました。11歳で祖母の追悼演説を行い、紀元前47年には神祇官に任命されるなど、早くから名を馳せていました。

カエサルの後継者としての台頭

カエサルが暗殺された際、オクタウィウスはアポロニアで軍事的・弁論の訓練に励んでいましたが、カエサルからの養子としての遺言を受け、ローマに帰還しました。彼はカエサルの名を借りて権力闘争に身を投じ、友人たちと共に権力の基盤を築いていきました。カエサルの後を継ぐ立場であったオクタウィアヌスは、徐々に彼を取り巻く要人たちと共に力を強めていきました。

内乱とその後

オクタウィアヌスは、共和派の人々やカエサルの暗殺者に対抗するための同盟を築きます。マルクス・アントニウスとの緊張関係が高まる中、彼は同盟を強固なものにするためのさまざまな戦略を展開しました。特に、フィリッピの戦いではカエサルの復讐を果たし、長年にわたる内戦を終結に導きます。

第2回三頭政治と新たなアプローチ

紀元前43年に、オクタウィアヌスはアントニウスとレピドゥスとの間で三頭政治を形成します。この新しい体制は共和派の権力を奪うためのもので、粛清やキャリア政策を強化していきました。この時期には、アウグストゥスとしての地位をひたすら固める作業が行われました。

権力の確立

紀元前27年、オクタウィアヌスは元老院から「アウグストゥス」の称号を贈られ、名実ともにローマ帝国の皇帝となる道が開かれました。彼はあくまでも共和政の延長線上として元首政を築いたため、多くの市民には支持を受ける結果となるのです。この時からアウグストゥスは、いわゆる「プリンキパトゥス」による統治を行い、最終的には「国家の父」という称号をも得ました。

晩年と後継者問題

彼の死去後、アウグストゥスは心身ともに多くの試練を乗り越えてきた後継者問題に取り組みました。多くの養子たちや実子たちとの間で、他者との血筋にこだわった養子や結婚の選択が繰り返され、彼の死後もその影響が続きます。

人物像

アウグストゥスは当初、冷酷な側面も持ち合わせていましたが、次第に温和な性格を見せるようになりました。彼は国家の安全と繁栄のために、巧妙かつ柔軟な政策を施行し、後世のローマに多大な影響を与えました。彼の死の際には、「私がこの人生の喜劇で自分の役をうまく演じたか」とつぶやいたと伝えられています。

その後、アウグストゥスの名は帝国制度の歴史を通じて称揚され、後世の皇帝たちにも影響を与え続けました。

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