コマンチェロ

『コマンチェロ』（原題：The Comancheros）は、1961年に公開されたアメリカ合衆国の西部劇映画です。巨匠マイケル・カーティスが監督を務め、ジョン・ウェインが主演しました。この作品は、カーティス監督の遺作としても知られています。

物語の舞台は1843年のアメリカ南部。ニューオーリンズで、ギャンブラーのリグレットは決闘で相手を死なせてしまいます。その相手が判事の息子だったため、殺人犯として追われる身となったリグレットは、逃亡中に蒸気船で出会った美女ピラーに心を奪われます。しかし、束の間の恋もつかの間、彼はテキサス警備隊のカッター大尉に捕縛されてしまいます。

カッター大尉はリグレットをニューオーリンズへ護送し、絞首刑にしようとしますが、リグレットは隙を見て逃亡します。一方その頃、テキサスではコマンチ族による襲撃が頻発していました。カッター大尉は、その背後にコマンチ族に武器を密売する白人集団がいると睨み、武器商人になりすまして潜入捜査を開始します。そして、その集団が「コマンチェロ」と呼ばれていることを突き止めます。

潜入先の町で、カッター大尉は再びリグレットを発見し、逮捕します。護送中、二人は立ち寄った農場でコマンチ族の襲撃に遭遇します。リグレットは、一度は逃げ出すものの、警備隊を連れて戻り、カッター大尉と農場の人々を救います。リグレットの行動に感銘を受けたカッター大尉は、彼が警備隊員だったという偽のアリバイを作り、ニューオーリンズの逮捕状を無効にします。

こうして、カッター大尉とリグレットは共にコマンチェロの捜索に乗り出します。武器商人に扮して荒野を進む二人は、コマンチェロの秘密の村にたどり着きます。しかし、二人は正体を疑われ、裁判にかけられてしまいます。そんな危機を救ったのは、ピラーでした。実は、彼女はコマンチェロのボスであるグレールの娘だったのです。

二人の正体がバレてしまい、ピラーを連れて脱出を図るカッター大尉たち。逃走中に馬車が転倒し、追手に囲まれてしまいますが、その時、テキサス警備隊が駆けつけ、コマンチェロの討伐に成功するのでした。

この作品では、ジョン・ウェインがカッター大尉を演じ、スチュアート・ホイットマンがリグレットを演じました。さらに、イナ・バリンがヒロインのピラーを演じ、リー・マーヴィンがコマンチェロのボスであるグレールを演じました。

『コマンチェロ』は、西部劇の黄金時代を彩る傑作の一つとして、今なお多くのファンに愛されています。監督を務めたマイケル・カーティスは、この作品の完成を見ることなく、その生涯を終えました。そのため、この作品は彼の遺作としても、特別な意味を持つ作品となっています。

日本語吹替版では、NETテレビ（現：テレビ朝日）で放送されたものがDVDとBlu-rayに収録されています。DVD版には再放送時の短縮版が、Blu-ray版には初回放送版が収録されており、それぞれ異なるバージョンの日本語吹替を楽しむことができます。

『コマンチェロ』は、アメリカ西部を舞台にした、アクションとロマンス、そして友情と裏切りが入り混じる、見応えのある作品です。西部劇ファンはもちろん、多くの映画ファンに楽しんでいただけるでしょう。

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