コミック昭和史

コミック昭和史

『コミック昭和史』は、日本の著名な漫画家水木しげるによって描かれた作品で、昭和時代の歴史を漫画の形で表現したものです。本作は1988年11月から1989年12月まで講談社より全8巻が出版され、さらに1994年には文庫版、2015年には『水木しげる漫画大全集』として全4巻が発売されました。なお、作品は単に『昭和史』とも呼ばれています。

この漫画は、奇妙なキャラクター「ねずみ男」を中心に据え、昭和時代の出来事を振り返りつつ、水木自身の人生を描いています。さらに、「砂かけ婆」や「子泣き爺」なども物語に登場し、重要な役割を果たします。そして、鬼太郎や目玉おやじ、猫娘などの人気キャラクターたちが、物語の重要な場面で顔を見せてくれます。

水木しげるの perjalanan の中で、彼の個人的な体験や当時の文化、庶民の生活が生き生きと描かれています。特に彼は、太平洋戦争のエピソードには特別な思い入れを持っており、そのためか多くのページをこのテーマに割いています。彼はこの作品を「戦争で命を落とした人々への鎮魂を込めた自分史」と述べています。

この作品は1989年に第13回講談社漫画賞（一般部門）を受賞し、さらには2015年にはアイズナー賞の最優秀アジア作品賞を得るなど、その評価は高いものです。また、2013年には英語版が、2017年には台湾版が出版されています。

各巻の概要

本書は全8巻で構成され、各巻は以下のようなテーマを持っています。

• - 第1巻: 関東大震災から満州事変
• - 第2巻: 満州事変から日中全面戦争
• - 第3巻: 日中全面戦争から太平洋戦争開始
• - 第4巻: 太平洋戦争前半
• - 第5巻: 太平洋戦争後半
• - 第6巻: 終戦から朝鮮戦争
• - 第7巻: 講和から復興
• - 第8巻: 高度成長以降

主な登場人物

本作には多くのキャラクターが登場します。主なキャラクターには以下のような人物がいます。

• - 水木しげる: 物語の語り手であり、主人公。
• - のんのんばあ: 幼少期の水木の家に来ていたお手伝いさん。
• - 家族: 水木の父母、兄弟も登場し、家族の物語も描かれています。
• - 戦友たち: 戦争に関わる仲間たちも数多く描かれており、彼らとの友情や戦いの日々が綴られます。

関連作品

この作品は水木しげるの他の作品とも関連があります。例えば、少年時代の体験を基にした『のんのんばあとオレ』や、戦争体験を描いた『総員玉砕せよ!』などがあります。また、自伝的内容を含む『ボクの一生はゲゲゲの楽園だ』も有名です。
さらに、妻である武良布枝による自伝『ゲゲゲの女房』は、一部のエピソードが本作と重なります。この作品は2010年にテレビドラマ化もされました。

書誌情報

『コミック昭和史』は全て講談社から出版されています。初版は全8巻のコミックス形式で1988年11月から12月にかけて発行され、その後文庫版や全集版としても整理されています。特に文庫版は1994年に全8巻がリリースされ、各巻に特定のISBN番号が付与されています。

以上のように、『コミック昭和史』は単なる漫画作品ではなく、昭和という時代を深く切り取った重要な文化財とも言える存在となっています。

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