コミック特盛

コミック特盛：変貌を遂げた漫画雑誌の歴史

『コミック特盛』は、集英社から発売され、ホーム社が発行していた漫画雑誌です。当初は『コミックアイズ』という少女漫画雑誌の増刊号としてスタートしましたが、その後、月刊化、季刊化を経て、最終的には怪談漫画専門誌へとその姿を変化させていきました。その歴史は、日本の漫画業界の変化を反映する興味深いものです。

発刊から月刊化、そして季刊誌へ

『コミック特盛』は、週刊少年ジャンプ掲載作品の総集編を掲載する『コミックアイズ』の増刊号として誕生しました。2001年4月には、独立した月刊誌として『月刊コミック特盛』へと生まれ変わり、定期刊行を開始します。しかし、2008年の秋には、発行形態を季刊へと変更。この変化は、市場のニーズや編集方針の転換を反映していると考えられます。この時期には、『その時歴史が動いた(漫画)』の再録版なども掲載されていました。

少女漫画誌を経て、怪談漫画専門誌へ

2010年10月からは、雑誌のターゲット層を明確化し、『なでしこDNA 恋セヨ乙女』という副題を冠した少女漫画雑誌として刊行されました。しかし、この試みは2011年春号をもって終了。同年7月からは、再び方向転換し、怪談漫画（ホラー漫画）専門誌へと変貌を遂げます。当初は『怖すぎて禁じられた怪談』という副題でしたが、その後『新耳袋』の漫画化作品を看板に据え、『新耳袋 あなたの隣の怖い話』、『新耳袋 アトモス』といった副題で刊行されました。

掲載作品と発行部数の推移

『コミック特盛』には、幅広いジャンルの作品が掲載されました。初期には『魁!!男塾』、『聖闘士星矢』、『奇面組』、『キャプテン』、『プレイボール』、『孔雀王』、『チャンプ』、『銀牙 -流れ星 銀-』、『かっとび一斗』、『電影少女』といった人気作品が名を連ねています。これらの作品は、多くの読者にとって懐かしいものかもしれません。

発行部数は、2004年には99,166部とピークを迎えますが、その後は減少傾向を示し、2007年には58,750部まで減少しました。この部数減少は、市場の競争激化や、読者層の変化などを反映していると考えられます。

休刊と連載再開

『コミック特盛』は、2015年12月発売の冬号をもって休刊しました。しかし、最終号まで連載されていた「アウターゾーン リ:ビジテッド」と「断章のグリム」は、ホーム社のWebマンガサイト「画楽ノ杜」、その後は「Ｚ」で連載が再開されました。これは、デジタルメディアの台頭と、インターネットを通じたコンテンツ配信の拡大を示唆しています。

まとめ

『コミック特盛』の歴史は、漫画雑誌の変遷、そしてメディア環境の変化を象徴的に示しています。多様なジャンルの作品を掲載し、時代の流れに合わせて方向性を転換しながらも、読者に長く愛されてきた雑誌と言えるでしょう。その歴史は、日本の漫画文化の一端を垣間見ることができる貴重な資料です。

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