コミンテルン執行委員会国際連絡部

コミンテルン執行委員会国際連絡部

コミンテルン執行委員会国際連絡部（OMS）は、1921年から1939年まで存在した非公式の政治組織です。この部門は、世界各国の共産党に対し特使を派遣し、資金を供与したり、指令を伝達する役割を担っていました。具体的な目的は、ロシアの外にある共産党への支援を行うことにありました。

沿革

OMSは、1921年7月に開かれた第3回コミンテルン世界大会で設立されました。設立当初から、世界中の共産党に助言と資金的支援を提供することを目的としていました。1923年以降、OMSは「非合法委員会」からの指導を受けるようになり、1924年にはソ連の情報機関である労農赤軍情報局（ГРУ）や国家政治保安部（ОГПУ）の管理下に置かれることになりました。

歴史家Raymond W. Leonardによると、1919年から1922年の間、多くの人々が参謀本部情報総局（Разведупр）とコミンテルンの間を頻繁に行き来していたとされています。さらに、赤軍はOMSを通じてエージェントの支援を受け、コミンテルンとの連絡を密にしていったのです。特に1927年以降は、OMSのエージェントが赤軍とインテリジェンス部門との連携を図る役割を果たしました。

OMSは1930年代になると、インテリジェンス活動に力を入れるようになります。しかし、アジアやヨーロッパにおける国際的な検挙事件、特に1927年の北京およびロンドンでの一連の事件を受けて、ソビエト連邦の外交活動からは次第に距離を置かれるようになりました。最終的に、1939年にかけてOMSは反革命的な機関と見なされ、その活動は終焉を迎えました。

人事

OMSの初代責任者はオシップ・ピアトニツキーであり、彼の下で組織は効率よく運営されました。1937年にはボリス・トリリッセルがこの地位を引き継ぎました。また、コミンテルン内部での代表者にはアレクサンドル・アブラモフ＝ミロフが就任し、特に欧州の連絡を担当していました。

ドイツやオーストリアを含む多くの国でOMSの活動が行われ、国ごとに責任者がいました。たとえば、ドイツの責任者にはリヒャルト・ゾルゲがいたほか、オーストリアではイレール・ヌーランが指導者として活動していました。このように、一国内での責任者やエージェントのネットワークは広範囲にわたり、彼らは各国の共産党との連絡を密に行っていました。

活動

ウォルター・クリヴィツキーは、OMSを「常駐エージェントの国際ネットワーク」と表現し、その活動の重要性を強調しました。さらに、外国の共産党はOMSを通じて資金を得て、党の活動を支えていたことが明らかになっています。

OMSは、他の組織との協力も行いながら、非合法の党援助や情報伝達の役割を一手に担いました。特に無線通信の管理や文書作成、偽装工作など多岐にわたる業務を行い、白書やパスポートの偽造も重要な機能として維持されていました。OMSの国際本部はベルリンに位置し、モスクワや他の都市で訓練を行う場も設けられていました。

影響

オムスが果たした役割は、コミンテルンの目的を達成するために不可欠でした。外国の共産党との連携を強化し、その資金源を確保することによって、国際的な共産主義運動の基盤を築くことに寄与しました。多くの歴史家が、この組織のインテリジェンス機能と支援活動がどのように展開されたかを詳細に分析しており、関心が寄せられています。特に、OMSの存在は国際的な共産主義のネットワークの中で重要な位置を占めたと言えるでしょう。

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