コモンウェルス (米国自治連邦区)

コモンウェルスとは

コモンウェルス（Commonwealth）は、アメリカ合衆国の海外領土の一種であり、特定の政治的地位を持つ地域を指します。主な例として、プエルトリコと北マリアナ諸島の2地域が挙げられます。歴史的には、フィリピンも1935年から1946年にかけて、このコモンウェルスという政体で存在していました。ここでは、コモンウェルスの地位について詳しく解説します。

コモンウェルスの地位

コモンウェルスは、アメリカ合衆国の主権の下で設立された属領もしくは保護領であり、一定の自治権が認められています。具体的には、内政に関しては自治政府が行うことができますが、外交や国防に関してはアメリカ合衆国が責任をもって行います。このため、コモンウェルスは米国の自治的・未編入領域（organized unincorporated territory）として分類されます。

コモンウェルスの特徴として、一度この地位が与えられると、国際連合の非自治地域リストから除外される点があります。これにより、コモンウェルスとして特別な扱いを受けることができます。

政治的構成

コモンウェルスに属する地域では、自らの内政を行う自治政府が設置され、アメリカ合衆国憲法や連邦法の適用も受けます。ただし、最終的な主権はアメリカ合衆国に帰属します。これに伴い、地域の首長はアメリカ合衆国大統領であり、自治政府の代表者として弁務官が任命されます。

また、地域的に限定された国際機関への加盟はアメリカ政府の承認があれば行うことができます。住民はアメリカ国籍を持っていますが、選挙権には一部制限があります。具体的には、大統領選挙への投票権は持っていないものの、連邦議会には決議権のない代表者を送ることができます。

税制

コモンウェルス地域の住民は、合衆国連邦税（所得税）を支払う義務はありませんが、社会保障やメディケアなど、他の種類の連邦税は納める必要があります。これは、コモンウェルスの住民が他の州と異なる取り扱いを受けていることを意味します。

軍事的側面

コモンウェルスに属する地域は、アメリカ合衆国が完全な国防権を持っています。必要に応じて土地を収用する権利も存在し、軍事上の必要からから保護されています。

日本語での呼称

プエルトリコに関しては、自主憲法に基づいて「Estado Libre Asociado de Puerto Rico」と名乗ることがあります。これを直訳すると「プエルトリコ自由連合州」となりますが、アメリカ議会などの公式な場では「Commonwealth」として扱われています。そのため、日本においても「自由連合州」と呼ばれることがある一方で、正確にはコモンウェルスと表現されるのが一般的です。

結論

このように、コモンウェルスはアメリカ合衆国と地域住民との関係性を示す重要な概念です。特に、自治権の有無や税の扱い、選挙権の限界など、アメリカの他の地域と異なる特徴を有しています。コモンウェルスの在り方は、今後も議論のテーマとなるでしょう。

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