コリエーレ・デラ・セラ

コリエーレ・デラ・セラ：イタリアを代表する新聞の歩み

1876年3月5日、ナポリ出身のエウジェーニオ・トレッリ・ヴィオッリエールによって創刊されたコリエーレ・デラ・セラ（Corriere della Sera）は、イタリアを代表する日刊新聞です。イタリア語では「コッリエーレ・デッラ・セーラ」と発音されます。ローマのラ・レプッブリカ、トリノのラ・スタンパといった全国紙と共に、イタリアの報道界を牽引する存在であり、その歴史はイタリアの近代史と深く結びついています。現在もイタリアで最も古い全国紙として、その地位を確固たるものとしています。

ミラノのソルフェリーノ通り：不変の拠点

コリエーレ・デラ・セラの本社は、ミラノのソルフェリーノ通りにあります。20世紀初頭から変わらぬこの地は、同紙にとって象徴的な場所であり、地元では「Via Solferino新聞」と呼ばれるほど親しまれています。この本社所在地は、長年にわたる同紙の歴史と伝統を象徴的に示していると言えるでしょう。

1977年の転換点：政治的立場への影響

1977年、コリエーレ・デラ・セラは大きな転換期を迎えました。当時、親会社であったリッゾーリ社は、キリスト教民主党との対立により深刻な資金難に陥っていました。この状況の中、極右政党であるイタリア社会運動（MSI）の幹部で、反共組織「ロッジP2」のリーチオ・ジェッリが、当時編集長であった左派のピエーロ・オットーネの解雇を条件に、融資を持ちかけました。バチカン銀行の関与も噂されるこの取引の後、オットーネ編集長は解雇され、同紙は保守的な論調へと傾斜していきました。この出来事は、コリエーレ・デラ・セラの歴史において、重要な転換点として位置付けられています。この出来事を境に、同紙は保守的な立場へと舵を切ったと分析されています。この政治的転換は、その後のイタリアの報道界に大きな影響を与え、同紙の報道姿勢に注目が集まることとなりました。

主要紙としての地位：ライバルとの競争と影響力

コリエーレ・デラ・セラは、ラ・レプッブリカやラ・スタンパといった主要紙との激しい競争を繰り広げながら、今日までイタリアの報道界において重要な役割を担ってきました。その影響力は、政治、経済、文化など多岐に渡り、イタリア社会に大きな影響を与え続けています。

国際的なつながり：朝日新聞との提携

コリエーレ・デラ・セラは、日本の朝日新聞と提携関係にあります。この国際的な協力関係は、両紙の報道力向上に貢献し、国際的な情報交換を促進する上で重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

まとめ：歴史と現在

コリエーレ・デラ・セラは、1世紀以上に渡る歴史の中で、イタリアの政治、経済、社会に大きな影響を与えてきました。1977年の出来事を境に保守的な論調へと傾斜したものの、現在もイタリアを代表する主要紙として、その地位を保ち続けています。その歴史と影響力は、イタリアの報道界、ひいてはイタリア社会を理解する上で欠かせない要素と言えるでしょう。今後の動向にも注目が集まります。

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