コリドンの戦い

コリドンの戦い：南北戦争におけるインディアナ州唯一の激戦

1863年7月9日、インディアナ州ハリソン郡コリドンで、南北戦争における重要な戦闘の一つ、コリドンの戦いが勃発しました。この戦いは、南軍のジョン・ハント・モーガン准将率いる襲撃部隊と、地元民兵を中心とする北軍部隊との間で繰り広げられました。インディアナ州で発生した唯一の南北戦争の戦闘として、その歴史的意義は大きいと言えるでしょう。

戦闘の背景

1863年6月、モーガン准将は2,500名近い騎兵隊と2個砲兵中隊を率いて、ケンタッキー州へと侵攻を開始しました。目的は、北軍の通信線を妨害し、南軍の作戦を支援することでした。モーガン隊は各地で北軍部隊を撃破し、物資を略奪しながら進軍を続けました。7月8日にはオハイオ川を渡河し、インディアナ州に侵入しました。これに対し、インディアナ州知事は州民兵を招集し、コリドンでは約400名の民兵が応戦の準備を整えました。

戦闘の展開

7月9日午前11時頃、南軍の前衛隊がコリドン郊外に到達しました。町の南には、丸太を組んだ即席の防衛線が築かれており、ルイス・ジョーダン大佐率いるインディアナ民兵がこれを守っていました。南軍は当初、砲撃で民兵を圧倒しようとしましたが、時間の制約から、正面攻撃を敢行しました。激しい銃撃戦が繰り広げられましたが、南軍の兵力と装備の優位は明らかでした。南軍は民兵の防衛線の側面を突破し、最終的に民兵部隊を退却させました。午後12時40分頃には、南軍の砲兵隊が到着し、民兵部隊をさらに追い詰めていきました。最終的に、ジョーダン大佐は降伏を決断し、コリドンの町は南軍に占領されました。

戦いの後

この戦いで、北軍は戦死4名、負傷10～12名、捕虜355名という損害を被りました。南軍の損害は、戦死11名、負傷40名と、北軍よりも多くなっています。しかし、この勝利により、モーガン隊は物資と現金を確保することに成功しました。モーガン准将は、インディアナ民兵の抵抗を評価し、捕虜となった兵士を仮釈放しました。その後、モーガン隊はコリドンを略奪し、北部への進軍を再開しました。しかし、この時、モーガンはゲティスバーグの戦いでの南軍の敗北と、ヴィックスバーグ陥落の報を受け、南部への帰還を決意しました。この戦いの後、モーガン隊はオハイオ州へと進撃しましたが、最終的にはバッフィントン島の戦いで捕らえられ、壊滅しました。

戦闘の意義

コリドンの戦いは、南北戦争中に北部の大地で戦われた数少ない戦闘の一つとして、その名を歴史に刻みました。北軍政府が北部で戦われたと認めた戦いは、ゲティスバーグの戦いとこのコリドンの戦いのみです。また、この戦いは、モーガン准将の襲撃作戦の一部であり、南軍が一時的に北部を脅かすことができた事例の一つとして、重要な意味を持っています。コリドンの戦いは、南北戦争の複雑な様相と、地域住民の関与を示す一例として、今日まで語り継がれています。

参考資料

Funk, Arville L (c1969, revised 1983). A Sketchbook of Indiana History.
U.S. War Department, The War of the Rebellion: A Compilation of the Official Records of the Union and Confederate Armies
Mingus, Scott L., "Morgan's Raid," CHARGE! Magazine
CWACS Battle Summary for Corydon
Corydon Battle Park
"The Battle of Corydon, Indiana" - Article by Civil War historian/author Bryan S. Bush

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