コリンザ

コリンザの変遷

コリンザは、沖縄県沖縄市中央2丁目に位置していた複合商業施設であり、1997年に沖縄市の第三セクターによって開設されました。建物は地上5階建てで、建設は國場組が担当しました。当初、施設は沖縄市の商業振興を目的としており、多くの期待を寄せられていました。しかし、残念ながら、テナントが定着せず開業から長い間、デッドモールとしての状況が続いていました。

その後、2014年に沖縄市がこの施設を買い取り、整備に着手します。2017年4月には、この施設が「沖縄市雇用促進等施設」と改称され、同年5月には建物の1階に市立図書館が移設されました。このような改称や移転に伴い、便宜上「旧コリンザ」と呼ばれていた時期を経て、沖縄市は2019年4月にBCコザという新たな施設名を定めました。

沖縄市アメニティプランの運営

開設時、コリンザは「沖縄市アメニティプラン」(通称：AP社)によって運営されていました。この組織は沖縄市と中小企業基盤整備機構、さらには民間が出資した第三セクターで、その代表を沖縄市の当時の市長、新川秀清氏が務めていました。しかし、AP社は早くも巨額の累積赤字に直面し、2005年にはその金額はおよそ12億円に達しました。市の助役が社長に就任するなどの人事変更もあったものの、2007年には債務超過が24億円にまで膨らむ結果となりました。

2010年6月、AP社は遂に解散を決議し、那覇地方裁判所によって清算人が選任されました。解散後、沖縄市はコリンザの買い上げに向けて債権放棄を依頼し、2014年には市が図書館の移転先として同施設を購入する方針を固めました。このため、沖縄県議会はAP社に対する債権の一部放棄も全会一致で可決され、議会の支援を受ける形で進展を見せました。

沖縄市民小劇場あしびなー

1998年に開館した沖縄市民小劇場あしびなーは、コリンザの3階に位置し、320人を収容可能な公立劇場です。その初代館長は玉城満氏で、優良ホール100選に選ばれるなど高い評価を受けています。また、2006年にはJAFRAアワードを受賞するなど、地域文化の発信源としても重要な役割を果たしました。

キーテナントの変遷

施設のキーテナントも時を経て変わっていきました。開業当初は東京の一藤水産が経営する沖縄黒潮市場がありましたが、数度の経営変遷を経て、「コリンザ市場」として新たな経営形態に移行しました。しかし、こちらも2000年には閉鎖に至ります。その後は、ベスト電器によるパソコン専門店が開店したものの、最終的には撤退し、以後はトランスコスモスのコールセンターが入居しています。

沖縄市立図書館の移転

1984年に沖縄市上地で開館した沖縄市立図書館は、施設の老朽化や蔵書スペースの不足に悩まされていました。そこで、2016年の計画により、新たな図書館がコリンザの1階部分に設置されることとなり、広さは4,995㎡と大幅に拡大。蔵書数も1.8倍の38万冊に増加しました。改修工事を経て、2017年5月には新たな図書館がオープンし、九州でも最大級の図書館となりました。

このように、コリンザは多くの経営の波を経て改装とともに新たな施設へと生まれ変わり、今も地域の文化的な役割を果たす場所となっています。

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