國場組

株式会社國場組

株式会社國場組（こくばぐみ）は、沖縄県に本社を置く、建設・土木事業を主軸とする企業です。1931年の創業以来、沖縄の社会基盤整備に大きく貢献してきました。その事業領域は建設・土木のみならず、飲食業、サービス業にも及び、沖縄経済の発展を支える重要な役割を担っています。

歴史

國場組の歴史は、1931年7月2日に國場幸太郎が兄弟と共に創業したことに始まります。創業当初から土木工事に携わり、1941年には小禄飛行場の拡張工事を、1943年には読谷飛行場の新設工事を完遂するなど、その技術力を早くから発揮していました。第二次世界大戦中は、日本軍の壕建設や退避小屋建設にも従事しましたが、沖縄戦の激化により一時業務を中断しました。

戦後は、米軍の国際入札に地元業者として初めて参加し、沖縄全島の米軍港湾荷役を請け負うなど、米軍関係の事業で実績を重ねました。1960年代には、金武村の海兵隊基地キャンプ・ハンセンの建設工事を請け負い、大規模な事業を遂行しましたが、同時に経営難に陥るという苦境も経験しました。その後、1968年に株式会社へと改組し、1970年代には沖縄海洋博覧会の建設工事にも参加しました。

1990年代には、経営難に陥り、創業者一族の取締役が退任するなど、苦しい時期を迎えました。しかし、本社ビルや関連事業を子会社に売却するなど、経営再建に取り組み、2000年代には九州・沖縄サミットの会場となった万国津梁館の建設に携わるなど、再び勢いを取り戻しました。近年では、沖縄のリゾート開発需要の増加に伴い、2007年には経営再建をほぼ完了させました。

特徴

國場組は、戦前は日本軍、戦後は米軍という、時代の変化に合わせて顧客を変えながら、沖縄のインフラ整備を担ってきました。特に、米軍関係の工事においては、軍事施設特有の技術やアメリカの規格に対応する必要があり、高度な専門性と英語でのコミュニケーション能力が求められます。同社は、これらの要求に応え、米軍関係の工事で豊富な実績を築き上げました。具体的には、キャンプ・ハンセンの建設工事や、ステアリー・ハイツ小学校の建設、ブラボー桟橋の復旧工事などがあります。

また、同社は埋め立て工事にも技術と実績があり、普天間基地の移設問題においては、その技術力を活かした埋め立て案を提示しました。

近年は、沖縄のリゾート開発にも力を入れており、ザ・テラスホテルズなどの子会社を通じて、観光業にも貢献しています。さらに、中国への進出も視野に入れ、留学生の採用にも力を入れた時期もありました。

近年の動向

2006年には、沖縄県発注の土木・建築工事を巡り、公正取引委員会から排除措置命令を受けましたが、その後、事業の立て直しを図り、2021年には創業90周年を迎えました。現在も、沖縄県における建設・土木事業の中核企業として、その役割を担い続けています。

関連会社

ザ・テラスホテルズ株式会社（沖縄県のリゾートホテル運営・映画興行会社）
ムーンホテルズアンドリゾーツ株式会社（沖縄県のリゾートホテル、ホテルムーンビーチ等の運営会社）

参考文献

『國場組社史』第1部　1984年9月10日

外部リンク

國場組公式ホームページ

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