コリン・アレクサンダー・マクヴェイン

コリン・アレクサンダー・マクヴェイン：日本の近代化を支えたスコットランド人技術者

コリン・アレクサンダー・マクヴェイン（1838年-1912年）は、スコットランド出身の技術者で、明治時代の日本における近代化に多大な貢献を果たした人物です。彼は工部省や内務省に勤務し、国土測量、地図作成、気象観測、地震観測、そして建築営繕など、幅広い分野を指揮しました。

生い立ちと来日

マクヴェインはスコットランドの牧師の息子として生まれました。13歳の時にロンドン万国博覧会を訪れたことがきっかけで、技術者になることを決意。エジンバラのロイヤル・ハイ・スクールを卒業後、技術事務所や海軍本部の水域測量局で研鑽を積みました。その後、ブルガリアでの鉄道建設にも従事し、豊富な経験を積んでいきます。

日本への渡航は、幕府による灯台建設事業がきっかけでした。イギリス公使ハリー・パークスの要請により、灯台建設技術者として招聘され、1868年8月に来日。当初は横浜外国人居留地の測量や地図作成、灯台建設に従事していましたが、工事の難航や主任技師との意見対立により、灯明台掛を辞職することになります。

ヴァルカン鉄工所と工部省測量司

灯明台掛辞職後、マクヴェインはヴァルカン鉄工所を共同経営。そこで、後の工部省設立に携わる山尾庸三と出会います。山尾の強い働きかけもあり、マクヴェインは1871年、工部省測量司長として採用されます。

工部省測量司では、国土測量のための日本人測量士の育成に力を注ぎ、測量学校の設立にも尽力しました。測量業務だけでなく、気象観測や地震観測の開始にも関わり、必要な機材の購入や職員の雇用にも携わります。また、多くの官庁建築の設計にも携わり、日本の近代建築にも貢献しました。

さらに、ウィーン万国[[博覧会]]日本館の展示設計や、岩倉使節団のスコットランド訪問における手配など、様々な業務をこなしました。一時帰国中には、エジンバラ王立物理学協会やスコットランド気象協会などの会員にもなっています。

内務省地理寮と帰国

工部省測量司は後に内務省地理寮に移管され、マクヴェインも引き続き測量業務に従事します。しかし、内務省における混乱や予算削減などにより、全国測量事業は縮小。マクヴェインは1875年末に早期退職を余儀なくされました。

帰国後は、領地管財人を務めた後、スコットランドで自給自足の生活を送ります。晩年は、子供や孫の養育にあたり、穏やかな余生を過ごしたと伝えられています。

マクヴェインが残したもの

マクヴェインは、日本の近代化に貢献しただけでなく、膨大な日記や手紙、絵画、図書、骨董品などを残しました。彼の文書の一部は遺族によって保管され、日本古美術品の一部はケルヴィングローブ美術博物館に収蔵されています。これらの資料は、彼の生涯と業績を知る上で貴重な史料となっています。

まとめ

コリン・アレクサンダー・マクヴェインは、日本における近代化に大きく貢献したスコットランド人技術者でした。彼の技術力と指導力、そして献身的な仕事ぶりは、明治時代の日本の発展に欠かせない存在だったと言えるでしょう。彼の残した資料は、日本の近代化を研究する上で重要な史料であり、これからも多くの人々に研究・考察の機会を提供し続けることでしょう。彼の功績は、これからも長く記憶にとどめられるべきものです。

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