コルチュラ島

コルチュラ島

コルチュラ島は、クロアチアのドゥブロヴニク＝ネレトヴァ郡に属し、アドリア海に浮かぶ島です。古代ギリシャ時代には「黒いケルキラ」と呼ばれた歴史を持ち、クロアチア語ではコルチュラ、イタリア語ではクルツォラと発音されます。面積は約279平方キロメートルで、東西に長く、南北は比較的短い形状をしています。ダルマチア諸島の中では、クルク島に次いで人口が多い島です。

地理

コルチュラ島は、ダルマチア諸島のほぼ中央に位置し、本土のペリェシャツ半島とは狭い海峡で隔てられています。海岸線は複雑に入り組んでおり、島の中央部にはクルプツァ山やコム山などの山々が連なっています。気候は温暖で、年間を通して過ごしやすいのが特徴です。島は地中海性の植物に覆われており、特にマツ林が広大に広がっています。

島内には、コルチュラ、ヴェラ・ルカ、ブラトといった主要な町があり、その他にもルムバルダなどの海岸沿いの村や、内陸部の集落が点在しています。主要な道路は島の山沿いを走り、各集落を結んでいます。フェリーは、コルチュラからペリェシャツ半島や本土へ、また、ヴェラ・ルカからスプリトや周辺の島々へ運航しています。高速船も利用でき、スプリトやフヴァル島などへのアクセスも便利です。夏期には、イタリアのアドリア海沿岸の港からの直行便もあります。

歴史

コルチュラ島の歴史は古代にまで遡ります。ローマ帝国の属州であった時代を経て、7世紀にはスラヴ人が移住してきました。中世には、ヴェネツィア共和国の支配下に入り、その後もハンガリー王国やジェノヴァ共和国など、様々な勢力の影響を受けました。13世紀にはコルチュラ法令が制定され、島の自治が確立されました。伝説によると、探検家マルコ・ポーロはこの島で生まれたとされています。

15世紀以降はヴェネツィア共和国の支配が続きましたが、18世紀末にはハプスブルク家の領土となりました。その後、フランス帝国、オーストリア帝国と支配が移り変わり、20世紀には第一次世界大戦と第二次世界大戦を経て、ユーゴスラビアの一部となりました。ユーゴスラビア解体後は、独立したクロアチア共和国の領土となっています。

経済

島の経済は、観光業と農業が中心です。特に、ブドウ栽培によるワイン生産が盛んで、オリーブや果物の栽培も行われています。漁業も重要な産業であり、水産加工業も営まれています。造船業もかつては盛んでしたが、近年は観光業にシフトしています。近年では、漁村や村落でのアグロツーリズムも人気を集めています。

コルチュラ島は、美しい自然と歴史的な遺産が魅力の島です。温暖な気候と豊かな自然の中で、リラックスした時間を過ごすことができます。また、歴史的な建造物や、地元の人々の生活に触れることができるのも、この島の魅力です。

もう一度検索