コルドリエ・クラブ

コルドリエ・クラブの概要

コルドリエ・クラブ、正式には人間と市民の権利の友の会（Société des Amis des droits de l’homme et du citoyen）は、フランス革命時代に設立された人民結社であり、一般的には人民協会としても知られています。彼らは権利の擁護を目的として活動し、当時の社会における変革の中心的な存在となりました。

歴史的背景

コルドリエ・クラブは、1790年5月21日にパリのコルドリエ地区の住民によって設立されました。この設立は、憲法制定国民議会によるパリの60地区の廃止と新たな48区の設置に伴うものでした。最初はコルドリエ修道院の教会で会合を開きましたが、時間が経つにつれ、修道院の建物は広く集会に使用されるようになりました。現在、この建物はデュピュイトラン博物館として医学校に関連した施設となっています。

コルドリエ・クラブは、王政や旧体制に対抗し、特に「自由、平等、友愛」という理想を普及させるための活動を行いました。特に1791年にはギシャルダン侯爵が軍隊でこの理念を訴える演説を行い、その影響力を強めていきました。また、食料供給を確保するための革命軍の設立にも寄与し、理性の崇拝という新しい信念の構築に貢献しました。

抗議活動と派閥の分裂

コルドリエ・クラブは1792年6月20日に国王に向けた抗議活動に参加し、8月10日の王政打倒運動でも重要な役割を果たしました。しかし、1793年にはより穏健な指導者たち、具体的にはジョルジュ・ダントン、カミーユ・デムーラン、ファーブル・デグランティーヌなどがクラブから距離を置くようになり、彼らはダントン派またはIndulgentsと呼ばれました。この頃、クラブはエベール派、すなわち恐怖政治を支持した革命家によって支配されるようになりました。

エベール派の影響下にあったコルドリエ・クラブは、穏健派のダントンやデムーランとの間で激しい対立を経験しました。この対立は、デムーランが発行していた雑誌『ル・ヴィユー・コルドリエ』での論争にまで発展しました。デムーランは、コルドリエを支持する人々と連携しながらも、反抗的な姿勢を強め、暴力的な手段を取ることを避ける穏健派として知られていました。

最後の時期

コルドリエ・クラブは1794年にダントンとデムーランを排除し、ロベスピエールに対しても批判的な立場を取りました。しかし、彼らの新たな反乱は失敗に終わり、クラブの指導者たちは1794年3月24日にギロチンにかけられました。この事件を経て、コルドリエ・クラブは歴史の舞台から姿を消しました。

著名なメンバー

コルドリエ・クラブには多くの著名な革命家が参加しました。ジャック・ピエール・ブリッソー、ジャン＝バティスト・カリエ、ピエール・ガスパール・ショーメット、ジョルジュ・ダントン、カミーユ・デムーランなどがその名を連ねています。彼らはクラブを通じて、フランス革命の理念を広めるために尽力しました。

参考文献

コルドリエ・クラブに関する文献として、ジャン・モリス・トゥルヌーの『Bibliographie de l'histoire de Paris pendant la Révolution』（1894年）、A・ブージェールの『Les Cordeliers, documents pour servir a l'histoire de la Révolution』（1891年）、G・ルノートルの『Paris révolutionnaire』（1895年）などがあります。これらの資料は、コルドリエ・クラブの活動やその影響を理解する上で重要な手がかりを与えてくれます。

コルドリエ・クラブは、フランス革命の中で人々の権利と自由を守るために闘った象徴的な団体であり、その活動は現在も多くの人々に影響を与え続けています。

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