コロコロ (マプーチェ族)

コロコロについて

コロコロ（Colocolo）は、マプチェ語で「山猫」を意味し、アラウコ戦争の時期においてマプチェ族のリーダーとして知られています。彼の名前は、アロンソ・デ・エルシラ・イ・ズニガの叙事詩『ラ・アラウカーナ』の中で語られており、戦争の初期における重要な人物達の一人として描かれています。

アラウコ戦争とコロコロ

アラウコ戦争は、スペインによるチリ征服に対してマプチェ族が抵抗した歴史的な戦争です。その中でコロコロは、リーダーの地位を巡ってカウポリカンとトキ（部族の指導者）との間でライバル関係にあったとされています。彼の生涯に関する情報は現代の視点から見るとさまざまな解釈がありますが、彼自身の物語は彼が亡くなった後の長い年月を経てから文書化され、多くが歴史的正確性に乏しいと指摘されています。

現代の歴史家であるペドロ・マリーニョ・デ・ロベラは、ペンコの戦いの後にスペイン人のペドロ・デ・バルディビアに従ったカシケ（部族の長）の一人としてコロコロの名前を挙げています。彼はジェロニモ・デ・ビバールの『チリ王国の年代記』にも登場し、コロコロは戦争の指導者の一人として、6,000人もの兵士を率いていたとされています。このように、彼は武力による問題解決を提案する重要な指導者として記録されています。

歴史的記録とコロコロ

後の歴史家、フアン・イグナシオ・モリーナは、彼の著書『チリの地理的、自然的、市民的歴史 Vol.II』の中で、コロコロが1558年のキアポの戦いで亡くなったと述べています。一方で、彼はスペインの征服が始まった頃にトキ・デ・ラ・パスの役割を負っていたとされ、侵略者に対して戦う先住民の指導者としての役割が強調されています。一部の見解では、彼の死は1554年から1555年の大飢饉や発疹チフスの流行と重なっていたとも言われています。

コロコロの現代的評価

コロコロは、スペインに対抗し、決して降伏しなかった英雄として評価されています。彼はマプチェ族の文化において、知恵と勇気を象徴する存在となっています。現在のチリにおいて、彼の名前は地名としても広く使用されており、特にパイカビ、レモ、リンコヤン、エリキュラ、オロンペッロなどの地域名にその名が残っています。また、チリの著名なサッカークラブCSDコロコロは、この英雄的な人物の名に由来しています。

コロコロの生涯を語る上で、その伝承の多くは不確実さを伴うものですが、彼が持っていた影響力やその後のマプチェ族への影響は、今日もなお人々に尊敬される存在として生き続けています。

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