コロンビアジリス

コロンビアジリス (Urocitellus columbianus)

コロンビアジリスは、齧歯目リス科に属する哺乳類で、カナダやアメリカの高地に広く分布しています。特に、ブリティッシュコロンビア州を含む多くの高原草地で見られ、その社会的な生活様式とユニークな生態が特徴です。

分布

この種は、カナダ南東部のブリティッシュコロンビア州から、アルバータ州、アメリカ合衆国のワシントン州やオレゴン州、アイダホ州、モンタナ州に至るまで、広範囲に生息しています。主に、高山の草地で生活し、213メートルから2438メートルの標高に生息しています。

形態

コロンビアジリスの体長は325から410ミリメートル、尾長は80から116ミリメートル、体重は340から812グラムですが、平均して576グラムほどです。体はがっしりとしており、密な被毛を持ち、背中は肉桂色がかった黄褐色、顔と腹部は黄褐色です。さまざまな色合いの毛は、彼らを周囲の環境に適応させるための利点ともなっています。

生態

このジリスは非常に社会的で、群れを作って生活します。オスは母集団から離れ、他のメスと新しい群れを形成します。一方、メスは通常、誕生した場所に留まりますが、場合によっては新しい場所に移動することがあります。コロンビアジリスは昼行性で、夜間は巣穴に戻ります。この巣穴は精巧に作られており、冬眠期間中の避難所としても機能します。冬眠用の巣穴内部には、細かくちぎった草で作られたドーム状の巣があり、洪水を防ぐための排水穴も設けられています。コロンビアジリスは、年間の約8.5か月を冬眠に費やし、活動期間はわずか3.5か月です。冬眠前には食料を巣穴に蓄えており、オスは植物が育ち始める前に冬眠から目覚めます。

食性

主に植物を食べるこのジリスは、根や球根、茎、葉、種、実などを好みます。特に、タンポポやチモシー、クローバーなどの植物を好み、時には昆虫やネズミ、死んだ魚といった動物性の食物も摂取することがあります。また、必要に応じて樹木や低木に登ることで新鮮な芽や実を求めることもあります。

繁殖

繁殖は春の初めに行われます。メスは冬眠から目覚めると交尾を行い、妊娠期間は約24日です。子どもは5月下旬から6月上旬にかけて出産され、平均で2.7匹の子が生まれます。生まれたばかりの子供はわずか6.8から11.4グラムですが、急速に成長し、3日で毛が生え、15日で歩き始めます。30日後には離乳しますが、母親の元で初冬を過ごします。

分類

コロンビアジリスには2つの亜種が認識されています。1つはUrocitellus columbianusで、オレゴン州北東部を除く大部分の地域に分布しています。もう一つはUrocitellus ruficaudusで、こちらはオレゴン州北東部に生息しています。

人間との関係

コロンビアジリスは絶滅危機には瀕していませんが、農業における影響が問題視されています。ジリスは放牧された牛と同じ草を食べてしまうため、害獣と見なされ、牧場主によって毒殺されることがあります。これは、彼らの天敵であるヒグマやコヨーテ、他の捕食者にも悪影響を与える可能性があります。生態系のバランスを保つためにも、ジリスに対する理解が必要です。

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