コングスベルグ

コングスベルグは、ノルウェーのブスケルー県に位置する都市で、ヌーメダール谷の南端に広がっています。面積は約793平方キロメートル、人口は約2万8千人です。公用語はブークモールで、その歴史は17世紀初頭にまで遡ります。

歴史

1624年、デンマーク＝ノルウェー王クリスチャン4世によって鉱業都市として設立され、「王の町」という名を与えられました。その後、1802年に商業都市として正式に認可されました。コングスベルグは、ノルウェーを代表する軍需産業企業であるコングスベルグ・グルッペンの本社所在地としても知られています。

紋章

市の紋章は1972年に採用されましたが、その起源は1689年の古い紋章にあります。紋章には、ローマ神話の神ヤヌスがローマ皇帝の姿で描かれており、正義を象徴する剣と天秤を手にしています。

地理

コングスベルグは、北にフレスベルグ、東にウーヴレ・エイケルとホーフ、南にシーエン、シリヤン、ラールダール、西にノトッデン、サウヘラと隣接しています。市内をヌーメダールスローゲン川が流れ、3つの滝を形成しています。オスロからのアクセスも良好で、鉄道とバス路線が利用可能です。

産業都市としての歴史

コングスベルグは、かつてノルウェー最大の銀鉱山として知られていました。1623年から1957年までに約1350トンもの銀を産出し、18世紀にはノルウェーで2番目に人口の多い都市でした。しかし、銀の生産量が減少するとともに、1810年の大火などの苦難に見舞われました。その後、鉱山は国防産業として政府に引き継がれ、重要な役割を担うことになります。

1987年には、国営企業だったコングスベルグ・ヴァーペンファブリックが、先端技術を共産圏に輸出していたことが発覚し、財政危機に陥りました。この結果、企業は解体され、一部は民間企業に売却されました。現在では、防衛部門のコングスベルグ・ディフェンス&エアロスペースと海事部門のコングスベルグ・マリタイムを中心とした、ノルウェー有数のハイテク産業集団として発展しています。また、コングスベルグは1686年からノルウェーの硬貨を鋳造していましたが、2003年にフィンランドとの合弁会社に売却されました。

文化

コングスベルグには、18世紀に建設されたコングスベルグ教会があります。この教会は赤レンガ造りで、バロック様式の豪華な内装が特徴です。スカンディナヴィア最大のパイプオルガンを擁し、毎年1月にはグローガー音楽祭が開催されます。1964年からは毎年、国際的なジャズ音楽祭「コングスベルグ・ジャズ・フェスティヴァル」が開催されており、多くの有名ミュージシャンが出演しています。コングスベルグ出身の著名なミュージシャンとしては、a-haのヴォーカリスト、モートン・ハルケットなどが挙げられます。

ウィンタースポーツ

コングスベルグは、スキージャンプ競技選手を多く輩出してきたことでも知られています。ビルゲル・ルートやペッテル・フークステッドといったオリンピック金メダリストが活躍しました。また、近年ではスノーボード・ハーフパイプ競技で銀メダルを獲得したスティーネ・ブルン・ヒェルダースもコングスベルグ出身です。

事件

2021年10月13日には、コングスベルグ襲撃事件が発生し、人々が弓矢で襲撃され、5人が死亡、3人が負傷するという悲劇が起こりました。

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