コングスベルグ・ディフェンス&エアロスペース

コングスベルグ・ディフェンス&エアロスペース (Kongsberg Defence & Aerospace AS: KDA) について

コングスベルグ・ディフェンス&エアロスペース（KDA）は、ノルウェーのコングスベルグ・グループ（KOG）の中核をなす2つの事業部門のうちの一つであり、防衛および宇宙関連事業を専門としています。特に防衛分野では、高度なミサイル技術や遠隔操作兵器システム（RWS）で知られ、国際的な軍事市場で重要な役割を果たしています。また、宇宙分野では、人工衛星関連技術や宇宙探査ミッションに貢献しており、その技術力は世界的に評価されています。

事業内容

防衛

KDAは、対艦ミサイル、軍事通信システム、水上艦の射撃管制装置、防空システムなど、広範囲にわたる防衛製品を製造しています。

特に、遠隔操作銃塔（RWS）であるプロテクターRWSシリーズは、その高い性能と信頼性から、世界各国の軍隊で採用されています。プロテクターM151は、アメリカ陸軍のストライカー装甲車の主武装として採用されたほか、カナダ軍やオーストラリア軍でも使用されています。さらに、改良型のプロテクターM153は、アメリカ陸軍でCRWOS IIとして採用され、ハンヴィーやMRAPなどの車両に搭載されています。

主な製品

ペンギン (ミサイル)
NSM (ミサイル)
ジョイント・ストライク・ミサイル (Joint Strike Missile)
NASAMS、NASAMS2 (防空システム)
プロテクター (RWS: 遠隔操作銃塔)
E3A AWACS用ソフトウェア
その他多数

宇宙

KDAは、宇宙分野においても重要な役割を担っています。子会社であるコングスベルグスペーステックとコングスベルグ衛星サービスを通じて、宇宙関連技術の開発を行っています。コングスベルグ衛星サービスは、KDAとノルウェー宇宙センターが共同で所有しています。

KDAは、欧州宇宙機関（ESA）が開発したアリアン5ロケットのブースターアタッチメントおよびリリースユニットの製造に携わった実績があります。また、1990年代初頭には、NASAジェット推進研究所やドイツのダイムラークライスラー・エアロスペースが関与したカッシーニ探査機のハードウェアや、ロゼッタ探査機の太陽電池アレイ駆動機構の開発にも貢献しました。

歴史

ココム違反事件

コングスベルクは、過去に東芝機械ココム違反事件と同様に、対共産圏輸出統制委員会（ココム）協定に違反したとして告発された歴史があります。コングスベルクの子会社である「Kongsberg Vaapenfabrikk」が、ソ連に静粛な潜水艦を製造するための工作機械を不正に輸出したとされています。この事件は、冷戦期の国際的な軍事技術移転に関する重要な出来事として記録されています。

参考文献

コングスベルグ・ディフェンス&エアロスペース公式サイト

関連項目

宇宙機関の一覧
宇宙開発
* 軍需企業の一覧

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