コンゴ民主共和国におけるコーヒー生産

コンゴ民主共和国におけるコーヒー栽培は、キブ湖地域がその中心となっています。この地域では、約1万1000ものコーヒー農家が、主にロブスタ種とアラビカ種のコーヒー豆を栽培しています。これらの農家は、収穫したコーヒー豆を販売・流通させる上で、Furaha、Muungano、Sopacdiといった協同組合と密接な連携を取っています。

栽培品種

コンゴ民主共和国では、多様なコーヒー品種が栽培されています。特に、イシロ、ウバンギ州、ウェレ州、キブ州、カサイ州、コンゴ中央州といった北東部地域では、ロブスタ種が主要な栽培品種となっています。一方、キブ州やイトゥリ州といった標高の高い地域では、アラビカ種の栽培が盛んです。アラビカ種の生産量は、コンゴ民主共和国全体のコーヒー生産量の約5分の1を占めています。

生産量の推移

かつて、1989年までは年間119,320トンものコーヒー豆を輸出していたコンゴ民主共和国ですが、1997年から1998年にかけて発生した第一次コンゴ内戦の影響を受け、1994年から2003年の期間にコーヒー生産量は激減しました。さらに、複数の地域でコーヒー青枯病が蔓延したことも、生産量減少に拍車をかけました。しかし、内戦終結後の2002年12月に和平合意が成立すると、コーヒー生産量は徐々に回復し、2002年には32,000トン、2003年には40,000トンにまで増加しました。2006年には、アラビカ種が100,000袋、ロブスタ種が470,000袋（いずれも60kg袋単位）生産され、合計で400,000袋が輸出されました。しかし、2010年のコーヒー生産量は6,000トンと、1989年の生産量と比較するとわずか10%の水準にとどまっています。

コーヒー産業の復興計画

こうした状況を改善するため、コンゴ民主共和国政府は2012年に「2011-2015年期コーヒー生産復興戦略文書」を発表し、コーヒー産業の復興計画を策定しました。この計画には、100万米ドルの補助金予算が計上されており、2015年にはコーヒー生産量を120,000トンまで増産することが目標とされています。この復興計画の重点地域は、南キブ州の8地域、ロブスタ種が栽培されているバンドゥンドゥ州、そして約700ヘクタールにわたってアラビカ種が栽培されている東部州です。

コンゴ民主共和国のコーヒー産業は、内戦や病害の影響で大きな打撃を受けましたが、政府や農家の努力によって、徐々に復興の兆しを見せています。今後のさらなる発展が期待されるところです。

参考文献

* Kisangani, Emizet Francois; Bobb, Scott F. (1 October 2009). Historical Dictionary of the Democratic Republic of the Congo. Scarecrow Press. ISBN 978-0-8108-6325-5.

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