コンシェルジュリー

コンシェルジュリー（Conciergerie）

コンシェルジュリーは、フランス・パリ1区のシテ島西側に位置する歴史的な建築物であり、元々は王宮として使用されていた場所です。現在はパリのパレ・ド・ジュスティス（司法宮）の一部として一般公開されており、多くの観光客が訪れる名所となっています。

歴史的背景

コンシェルジュリーの起源は、10世紀から14世紀にかけてフランスのカペー朝の王宮として建設されたことにあります。この王宮は、シテ宮（palais de la Cité）と呼ばれ、フィリップ4世などの王によって使用されていました。しかし、シャルル5世が新たにヴァンセンヌ城に居を移したことで、1370年からは牢獄としての歴史が始まりました。

建物はロロージュ河岸に沿って位置し、地上階や2つの塔が牢獄として利用されました。元々は王室司令部としての機能を持っていたこの場所が、次第に「コンシェルジュリー」と名付けられるようになったのは、特権を得た門衛（コンシェルジュ）が護衛業務を行っていたためです。

フランス革命とその後

フランス革命の影響で、コンシェルジュリーはさらに悪名高い場所となりました。国民公会が隣接する革命裁判所を設置したことで、1793年から1795年の間に、2780名もの人々が死刑判決を受けました。この中には多くの王族や貴族も含まれており、この牢獄は「死の牢獄」や「ギロチン控えの間」と呼ばれるようになっていました。

特に有名な囚人であるマリー・アントワネットは1793年にここに投獄され、2か月半後に処刑される運命を迎えました。当時の牢獄は設備が劣悪で、囚人は有料で収容されていました。支払う額に応じて、囚人は異なる待遇を受けることができました。

現在のコンシェルジュリー

19世紀の第一帝政期にも牢獄として使用されましたが、1934年にその機能が廃止されて以降、現在は観光名所としての役割を果たしています。2011年には大規模な修繕が行われ、その歴史的価値が再認識されました。また、コンシェルジュリーの一部は歴史的遺産に指定され、セーヌ河岸地域の世界遺産として登録される見込みです。

現在、未公開の部分ではパリ大審裁判所や警視庁の一部として使用されています。特にマリー・アントワネットが過ごした独房も再現されており、訪問者はその歴史を学ぶことができます。

主要な囚人たち

コンシェルジュリーでは、著名な囚人が多く収容されていました。例を挙げると、王殺し未遂のため八つ裂きの刑に処されたロベール＝フランソワ・ダミアン、革命時に一時的に収監されたマルキ・ド・サド、そして、マリー・アントワネットなどがいます。

アクセス

コンシェルジュリーには、パリメトロ4号線シテ駅から徒歩わずかの距離に位置しており、非常にアクセスが良いです。歴史的な背景を持つこの場所を訪れることで、フランス革命の激動の時代を体感することができ、記憶に残る旅の一部となることでしょう。

このように、コンシェルジュリーは単なる観光地であるだけでなく、深い歴史を抱えた重要な場所でもあります。

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