コンセプシオン (チリ)

コンセプシオン：チリ中南部の歴史と発展を刻む都市

チリ中南部に位置するコンセプシオンは、ビオビオ州の州都であり、活気あふれる商業都市として知られています。2017年の時点で約22万人の人口を擁し、首都サンティアゴから南西へ約341キロメートル離れたビオビオ川沿いに位置しています。太平洋に面した外港タルカワノも近郊にあり、その都市圏規模から、チリ国内で2番目、もしくは3番目に大きな都市と称されることもあります。

マプチェ族との抗争と度重なる地震

コンセプシオンの歴史は、1550年にペドロ・デ・バルディビア率いるコンキスタドールによって現在のベンコ地区に創設されたことに始まります。当初は「Concepcion del Nuevo Extremo」と呼ばれていましたが、スペイン人入植者とマプチェ族との間の境界地帯であるラ・フロンテラ地区に位置していたため、長くマプチェ族との紛争が続きました。マプチェ族は長年抵抗を続け、スペインによる支配を容易には受け入れようとしませんでした。

コンセプシオンはチリ王国の重要な軍事拠点でしたが、1554年にはマプチェ族の襲撃を受け破壊されました。その後再建されましたが、アラウコ戦争などを通して度々襲撃を受け、幾度も破壊と再建を繰り返しました。1558年にはヘロニモ・デ・ビリェガスによって再建され、その後2世紀にわたり、マプチェ族に対する軍事拠点としての役割を果たしながら発展しました。1565年から1575年にかけては、スペイン植民地時代における重要な政府機関であるアウディエンシアが置かれるなど、政治的にも重要な役割を担っていました。

しかし、コンセプシオンの歴史は、自然災害とも深く関わっています。1751年には大地震に見舞われ壊滅的な被害を受け、現在の地へと再建されました。その後も、1837年にも地震による甚大な被害を経験しました。そして、2010年にはマグニチュード8.8のチリ地震が発生し、コンセプシオンも大きな被害を受けました。バチェレ大統領は災害宣言を発令するなど、甚大な被害に対応しました。

教育、交通、そしてスポーツ

コンセプシオンは、現在も活気あふれる都市として発展を続けています。コンセプシオン大学やビオ＝ビオ大学などの高等教育機関があり、教育都市としての側面も持ちます。また、交通面では、チリ国鉄子会社のビオトレンによる近郊電車の運行や、カリエル・スール国際空港の利用により、アクセスも良好です。

スポーツ面では、チリのサッカー1部リーグであるプリメーラ・ディビシオンに所属するウニベルシダ・デ・コンセプシオンの本拠地としても知られています。国際的な交流も盛んで、カスカヴェル（ブラジル）、ベツレヘム（パレスチナ自治区）、グアヤキル（エクアドル）など、世界各地の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

コンセプシオンは、マプチェ族との歴史、度重なる地震、そしてその後の発展という複雑でドラマチックな歴史を持つ都市です。しかし、その歴史の中で培われてきた強さと活気は、現代のコンセプシオンの礎となっています。今後も、教育、経済、スポーツなど、様々な分野で発展を続けることが期待される都市です。

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