コンソールアプリケーション

コンソールアプリケーションは、キャラクタユーザインタフェース（CUI）またはテキストユーザインタフェース（TUI）とも呼ばれ、テキストコンソールを介してのみ入出力を扱うアプリケーションソフトウェアです。グラフィカルユーザインタフェース（GUI）を必要としない点が特徴で、「コンソールアプリ」とも呼ばれます。

概要

GUIアプリケーションがウィンドウシステムなどの環境を必要とするのに対し、コンソールアプリケーションは標準ストリームなど、より基本的な環境で動作できます。これにより、異なるプラットフォーム間での移植が容易になり、システムリソースの消費も抑えられます。GUI環境下では、端末エミュレータやWindowsのWin32コンソール（cmd.exeなど）といったフレームワークを通じて動作させることができます。

コンソールアプリケーションは、通常、コマンドライン引数を受け取り、実行結果として終了コード（終了ステータスコード）を返します。この終了コードを利用して、シェルスクリプトでアプリケーションを連続実行したり、実行結果に基づいて処理を分岐させることが可能です。また、あるアプリケーションの出力を別のアプリケーションの入力として利用することも容易なため、定型処理の自動化、つまりバッチ処理に適しています。

数値や文字列といった、装飾を必要としない単純なデータを扱う場合、コンソールアプリケーションの標準出力は処理結果をコンソール上で即座に確認できるため、非常に便利です。そのため、標準入出力をサポートする汎用プログラミング言語の基礎学習や、プログラム部品の単体テスト、パフォーマンス（性能）テストなどにも広く利用されています。

プログラミング言語の処理系（コンパイラやリンカなど）、バージョン管理システムといった開発ツールは、バッチ処理を可能にするために、コンソールアプリケーション（コマンドラインツール）として実装されることが一般的です。ただし、ユーザーがより直感的に操作できるように、GUIフロントエンドでラップされることもあります。

Visual StudioやRAD Studioのような統合開発環境には、コンソールアプリケーションを作成するためのプロジェクトテンプレートが用意されています。macOS向けの統合開発環境であるXcodeでは、「Command Line Tool」という名称のプロジェクトテンプレートが提供されています。

一方で、AndroidやiOSといった、コンソールがエンドユーザーに開放されていないモバイルオペレーティングシステムでは、コンソールアプリケーションを直接利用したり、サードパーティが自由に開発したりすることはできません。このような環境では、コンソールアプリケーションの代替として、他の形式のアプリケーションやツールが用いられます。

例

ImageMagickのような画像処理ツールは、コマンドラインから操作できるコンソールアプリケーションの代表例です。これらのツールを使用することで、画像の変換や編集などをスクリプトによって自動化できます。

関連項目

* バッチ処理

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