コンタックス

Contaxカメラの歴史と製品群

Contaxは、カメラブランドとして、そして数々のカメラ製品として知られています。その歴史は、ドイツのツァイス・イコン社に始まり、ヤシカ、京セラとの共同開発を経て、2005年にカメラ事業からの撤退という幕を閉じました。この記事では、Contaxカメラの歴史、そして数々の名機や名レンズについて詳細に解説します。

ツァイス・イコン時代のContax

1932年、ツァイス・イコン社は、ライカに匹敵する高性能レンジファインダーカメラ、Contax Iを発売しました。Contaxブランド名は社内公募で選ばれたもので、当時、自動車用アクセサリーにも用いられていた名称でした。

Contax Iは、当時最新のジルミン系アルミ合金ダイカストボディ、最高速1/1000秒の金属製フォーカルプレーンシャッター、そしてツァイス社製の高性能レンズを備えており、ライカに対抗するカメラシステムとして確固たる地位を築きました。

その後、Contax II、Contax IIIといった改良モデルが発売され、セレン光電池式露出計を搭載したContax IIIは、電気露出計内蔵カメラの先駆けとなりました。第二次世界大戦後、東西ドイツに分裂したツァイス・イコン社は、東西でContaxブランドを巡って訴訟を起こし、最終的に西側のツァイス・イコン社はContax IIIaを最後にレンジファインダーカメラの生産を終了しました。東側のツァイス・イコン社は、一眼レフカメラをペンタコン、プラクチカブランドで製造販売しました。

ツァイス・イコン時代の主な製品

Contax I (1932): ツァイス・イコン社初のレンジファインダーカメラ。
Contax II (1936): Contax Iの後継機。速写性に優れた連動距離計を採用。
Contax III (1936): Contax IIに露出計を搭載。
Contax IIa/IIIa (1950年代): 戦後モデル。小型化され改良が加えられた。

ツァイス・イコン時代のレンズ

ツァイス・イコン時代のContax用レンズは、テッサー、ビオゴン、ゾナー、プラナーなど、数々の名レンズが製造され、高い評価を得ていました。これらのレンズは、優れた解像力、コントラスト、そして美しいボケ味で知られています。

ヤシカ・京セラ時代のContax

1970年代、カール・ツァイスは、ヤシカと提携し、Contaxブランドを復活させました。ヤシカが製造、カール・ツァイスがレンズ設計・製造を担当した高級カメラが発売されました。1983年にはヤシカが京セラに吸収合併され、京セラがContaxブランドを引き継ぎました。

この時代には、マニュアルフォーカス一眼レフカメラ、オートフォーカス一眼レフカメラ、そして高級コンパクトカメラなど、多様な製品がラインアップに加わりました。特に、コンパクトカメラのContax Tシリーズは、その洗練されたデザインと高い描写性能で大きな人気を博しました。

ヤシカ・京セラ時代の主な製品

Contax RTS (1975): ヤシカ・京セラ時代最初のContax一眼レフカメラ。
Contax Tシリーズ (1984-2001): 高級コンパクトカメラとして人気を博したシリーズ。
Contax AX (1996): フィルム面を移動させる独自のオートフォーカス機構を採用した一眼レフカメラ。
Contax 645 (1999): 中判カメラ。
* Contax Nシリーズ (2000年代): デジタル一眼レフカメラ。

ヤシカ・京セラ時代のレンズ

ヤシカ・京セラ時代には、AEレンズ、MMレンズなど、プログラムAEやシャッター速度優先AEに対応したレンズが開発されました。これらのレンズも、ツァイスの高い光学技術を反映した高性能レンズでした。

Contaxブランドの終焉

2005年、京セラはContaxを含むカメラ事業からの撤退を発表しました。Contaxブランドは、その歴史に幕を閉じました。しかし、Contaxカメラは、多くのカメラ愛好家にとって、今もなお憧れのブランドであり続けています。その高い技術力と美しいデザインは、カメラの歴史に燦然と輝く足跡を残しました。

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