コント55号 宇宙大冒険

映画『コント55号 宇宙大冒険』の概要

『コント55号 宇宙大冒険』は、1969年に公開された日本の映画で、東宝チャンピオンまつりの一環として上映されました。この映画は、お笑いコンビコント55号によって主演されており、当時のテレビ界で人気があった彼らの最後の主演作として位置づけられています。内容はコメディタッチのSFアクション喜劇であり、戦争を意識した風刺も含まれていますが、コント55号の特有のユーモアにあまり重点は置かれていません。

この映画は、特に子供向けの要素を加えながら幅広い視聴者を惹きつけることを狙った作品でもありました。しかし、以後の東宝チャンピオンまつりでは、コメディを主題にした映画はそのリストから外されてしまいます。そのため、『ゴジラ 東宝チャンピオンまつりパーフェクション』では、この映画の低予算が影響しているという意見もあります。

特撮としては、すでに他の作品で使用された映像が流用されており、その一例として『世界大戦争』や『緯度0大作戦』のシーンが挙げられます。また、クライマックスでは核ミサイルの描写に『大冒険』や『宇宙大怪獣ドゴラ』からの素材が使われています。

ストーリー

物語は、江戸時代末期の日本から始まります。勤皇党の坂本桂馬と新撰組の芹沢角が芸者・小菊を巡って争っていると、一人の虚無僧が現れて彼らを不思議な物体の中へ招き入れます。この物体は実はUFOで、虚無僧は宇宙人ドグマでした。彼は地球人を連れて行く理由について、平和なパラド星連邦が怠慢に陥ってしまったため、闘争本能を持つ人間を連れて行きたいと語ります。

UFOに乗せられた桂馬と角、そして小菊は宇宙へ向かい、様々な冒険を経た後、パラド星に到着します。しかし、長い宇宙旅行の間に彼らは友好的な関係を築いてしまい、元々の意図とは全く逆の結果に終わります。怒ったパラド星の政治家たちは、ドグマを処刑することを決定し、それを知った桂馬と角は彼を守ろうと努力しますが、彼らの行動が誤解される場面が続きます。

その後、二人は様々な競技で対決させられることになり、彼らの闘争本能が研究対象として利用されることになります。しかし、それによりパラド星人は暴力的になり、混乱が広がります。文化と文明が崩壊の危機に瀕する中、ドグマは桂馬と角、小菊をUFOに乗せ、惑星から脱出させます。

地球に再度帰還した際、彼らは江戸時代の変わり果てた姿に驚愕します。彼らが宇宙にいた2年半の間に、地球では相対性理論によって100年以上の時間が流れていたのです。そして、桂馬と角は再び市内を歩く中で学生デモを見かけ、戦争の危機が去っていないことを認識し、最終的には精神病院に収容されるという展開を迎えます。

出演者

• - 坂本桂馬：萩本欽一（コント55号）
• - 芹沢角：坂上二郎（コント55号）
• - ドグマ：川口浩
• - 小菊：高橋紀子

その他多数のキャストが参加しています。

制作の背景

この映画は、福田純が監督し、特殊技術や撮影において多くの協力者が関与しています。脚本はジェームス・三木によるもので、映像の録音、照明、音楽など様々なスタッフにより支えられています。特撮技術が興味深く活用されている部分も評価されております。

『コント55号 宇宙大冒険』は、ユニークなストーリー展開と当時の社会を反映したメッセージ性があり、今なお興味深い作品として語り継がれています。

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