コンパクト盤

コンパクト盤とEP盤の特徴と歴史

コンパクト盤（コンパクトばん）は、直径17センチメートル（7インチ）のレコードで、回転数はLP盤と同じ33回転（33 1/3rpm）であることから名付けられました。このため、音楽ファンの間で「コンパクトLP」や「17cm LP」とも呼ばれています。一方、EP盤（エクステンデッド・プレイ）はシングル盤と同じく45回転で収録されており、実際には異なる形式となります。

日本では1960年代から1970年代初頭にかけて、コンパクト盤が非常に人気を博しました。この特徴的なサイズは扱いやすく、複数の曲を収録しながらも、比較的安価で手に入れることができたため、特に学生などの若年層に支持されました。

コンパクト盤の特徴と音質

コンパクト盤の魅力は、LT盤に比べて収録時間が長く、シングル盤と同様のサイズで制作される点です。普通、シングルレコードは各面に1曲ずつ収録されますが、コンパクト盤では片面に2曲から3曲を収録し、合計4曲から6曲が収められます。そのため「お徳用」として利用されることが多く、LPアルバムより手軽に音楽を楽しむための選択肢として人気を誇りました。

ただし、コンパクト盤はその特性上、音質に関して少々の問題がありました。33回転で収録される音楽は、LPの内周部分に当たり、45回転のシングルやLPの外周に比べて音質が劣ることが多かったのです。対照的に、EP盤はシングル盤と同じ回転数で収録されるため、音質に優れています。

歴史と市場の変遷

1960年代半ばまで、コンパクト盤はポピュラー[[音楽]]の中で数多くリリースされ、その後は廃れていきました。1970年代半ば以降は、リミックス版の普及に伴い、12インチシングルに取って代わられることが多くなりました。日本では、特にアニメソングにおいて、1970年代に日本コロムビアからリリースされた「アクション・シリーズ」がコンパクト盤の形式で登場するなど、特異な存在を確立しました。

さらに、デジタル時代が到来すると、EPの概念が新たな形で進化しました。音楽のストリーミングやダウンロードの普及に伴い、短期間で作品をリリースするためにEPが利用され、ポップアーティストにとって重要なマーケティングツールとしての役割を果たしています。特に、Apple MusicやSpotifyなどのプラットフォームでは、EPの定義が明確にされており、曲数や演奏時間によって分類されます。

主な作品と影響

エピソード盤の代表的な作品には、ビートルズの『マジカル・ミステリー・ツアー』やアリス・イン・チェインズの『アナザー・サイド・オブ・アリス』があります。これらの作品は、音楽の多様性を示し、当時の音楽シーンに大きな影響を与えました。また、YOASOBIの『アイドル』のように、コンパクト盤が現代の音楽リリースにも取り入れられています。

まとめ

コンパクト盤は、シングル盤とLPの良いとこ取りをした音楽メディアとして、特に1960年代から70年代初頭にかけて日本の音楽市場において幅広く受け入れられました。その後の音楽の変遷を経て、デジタル時代にも引き続きEPという形で新しい意味を持つようになっています。業界標準の変化に伴い、EPの利用が拡大している現代、音楽ファンにとっては新たな楽しみ方を提供し続けています。

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