コンプRPG

『コンプRPG』の概要とその影響

『コンプRPG』（コンプアールピージー）は、角川書店が発行していたテーブルトークRPG専門の雑誌で、1991年11月30日に季刊として創刊されました。元々、親誌である『コンプティーク』はパソコンゲームを特集する雑誌でしたが、1986年からリプレイ連載を始めたことがきっかけで、テーブルトークRPGファンにも広く読まれるようになりました。特に、ロードス島戦記シリーズやその後継となるクリスタニアシリーズの成功が、テーブルトークRPGの人気を押し上げたと言われています。

創刊から休刊までの歩み

『コンプRPG』は、創刊当初から「ゲームエイジのための万能RPGマガジン」を掲げ、主にリプレイ、サプリメント、TTRPG関連小説を紹介していました。初号から『ガープス』の特集を行い、その後もクリスタニア、フォーチュンクエストRPG、ダブルムーン伝説など様々なTRPG関連の記事が盛り込まれました。

しかし、1992年に角川春樹と歴彦兄弟の対立が起こり、制作スタッフの大多数が新設のメディアワークスに移籍したことが影響し、1993年には人気小説「漂流戦記クリスタニア」が休載となるなど、誌面にも影響が出てしまいました。その後、雑誌は新たな企画を導入する必要に迫られ、特に読者参加企画「超女王様伝説 セント★プリンセス」がスタートしました。また、サポートが一時休止していたハイパートンネルズ&トロールズが復活するなど、誌面の活性化が図られました。

メディアミックスとその影響

創刊当初から、メディアミックスを意識した企画が多く、掲載されるTRPGのほとんどは小説化やコミック、さらにはゲーム化を前提としたものでした。こうした取り組みは、より広範なファン層を生み出し、TRPGの世界をより豊かにしました。理想的な薄さとボリュームを提供し、ファンの高い期待に応えるよう努めました。

休刊とその後

1996年10月30日号（vol.25）をもって『コンプRPG』は休刊してしまいますが、その後、角川書店はこの雑誌の後継として『ゲームクエスト』を1996年12月30日に創刊しました。この新しい誌面も、TRPGを中心に多くの内容を盛り込む構成となり、初号では特にTRPG初心者を意識した取り組みが見られました。しかし『ゲームクエスト』も約1年後には休刊となり、その後も『ガープス』のサポートや関連作品が富士見書房に移行するなど、TRPGの運営体制は大きな変化を遂げていきました。

おわりに

『コンプRPG』は、その短い期間ながらも日本のテーブルトークRPGシーンに多大な影響を与えた雑誌です。多くの読者がこの雑誌を通じてTRPGの魅力に触れ、その後の愛好者の増加に寄与しました。これらの特徴や影響は、今日のTRPG文化にも色濃く残り、多くのファンに親しまれています。

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