コードナンバー108 7人のリブ

『コードナンバー108 7人のリブ』

『コードナンバー108 7人のリブ』は、1976年に放送されたテレビドラマで、全13話から構成された作品です。関西テレビで放送され、特に火曜日の22:00から22:54の時間帯に多くの視聴者の注目を集めました。本作は、国際的な秘密捜査機関の東京中央捜査本部を舞台に、南條亜紀を中心に描かれる7人の女性スパイの物語です。

このドラマは、当時の人気作品『キイハンター』や『プレイガール』、さらには『Gメン'75』のスタイルを取り入れ、異色のスパイ・アクションとして知られています。また、アメリカの『チャーリーズ・エンジェル』の影響を受けているとも言われ、女性版のスパイ大作戦とも表現されています。「リブ」というタイトルは、女性解放運動（ウーマン・リブ）に由来しています。

本作の制作当初は、香港やマニラ、ヨーロッパでの海外ロケも計画されていましたが、最終的にはシンガポールとタイでの撮影に留まりました。特にタイ編には『闘え!ドラゴン』で知られるヤン・スエがゲストとして出演し、彼はその後『Gメン'75』の香港、マカオ編にも登場することとなります。また、ドラマ内で頻繁に外国語が使用されるため、語学力があるキャストの選定が重要視されました。

しかし、制作面ではさまざまな苦労もありました。プロデューサーの田村正蔵によれば、女優に高額の予算をかけすぎ、劇中に飛行機が落ちるシーンを挿入したために予算が底をついてしまったとのことです。これにより、クオリティを上げるための資金が不足し、全体のイメージが思ったものとは異なったと制作側は振り返っています。

同時期、関西テレビは文芸作品や時代劇を中心に放送していましたが、広告費の削減や新たなスポンサーの影響を受けて、アクションやファッションを取り入れる放送内容に変わりました。この流れにより、本作の制作に参加した若手プロデューサーたちが若者向けのセンスを取り入れました。スポンサーは化粧品メーカーが中心となり、広告も積極的に展開されました。

しかし、本作の視聴率が期待を下回ったため、当初の計画から短縮され、最終的には13話で終了となりました。宣弘社の小林隆吉社長は、この結果に対して、過剰な演出がイメージを損なったと分析しています。多くのスタッフやキャストは、次の番組『事件(秘)お料理法』に引き継がれることとなり、実際には宣弘社の最後の作品となりました。

本作は、後に3枚組のDVD-BOXや2枚組のBlu-ray BOXとしてリリースされ、多くのファンに親しまれ続けています。特に、主題歌「3度目のカラッ風」は多くの視聴者に印象を残し、オープニングやエンディングを彩りました。視聴者に強い印象を残した『コードナンバー108 7人のリブ』は、昭和のテレビドラマにおける重要な作品の1つと言えるでしょう。

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