闘え!ドラゴン

闘え！ドラゴン

『闘え！ドラゴン』は、1974年7月から12月にかけて東京12チャンネルで放送されたアクションドラマである。全26回のシリーズで、火曜日の19時30分から放送されていた。主な役を演じたのはアクション俳優の倉田保昭であり、彼はこの作品制作直前に香港から帰国したばかりだった。

ストーリーの概要

主人公の不知火竜馬は、戦争で両親を失い、香港で孤児としての生活を強いられていた。そんなある日、風吹流空手の創始者である風吹海山と出会い、彼の一番弟子として修行を重ねることとなる。空手の技を習得した竜馬は、日本に帰国し、孤児院「どんぐり寮」を運営しながら平穏な日々を送っていた。しかし、恩師の風吹の訃報を受け、彼の死の真相を探るため香港へ戻った竜馬は、その死が謎の暗殺組織「シャドウ」によるものであることを知る。竜馬は、恩師の仇を討つべく、シャドウとの壮絶な戦いに身を投じるのであった。

戦いの舞台

ドラマの中で、竜馬は超人的な体力と運動神経を持ち、ヌンチャクや崇高な跳び蹴りなど、風吹流の必殺技を駆使してシャドウと戦う。シャドウの恐るべき殺し屋たちと次々に対決する中、竜馬は己の力を試される。そして、ストーリーはシャドウ日本支部を壊滅させるところで幕を閉じるが、完全な勝利を収めることはできなかった。後にこの作品は、CS放送のファミリー劇場で全話再放送されるなど、再評価を受けた。

制作背景

本作は、宣弘社がブルース・リーの影響を受けて制作した、日本初の本格的なカンフーアクションドラマである。脚本を手がけた伊上勝は、過去の作品でのノウハウを活かし、詳細な設定を練り込んでいった。ドラマの制作過程では、倉田保昭が企画に参加し、香港でのロケなども難条件の中対処した。この作品は宣弘社によって30分枠で制作された実写ドラマの最後の作品となった。

主題歌とスタッフ

日本のドラマにおいて、オープニングとエンディングで放送された主題歌も特徴的だった。主題歌「闘え！ドラゴン」は伊上勝が作詞し、菊池俊輔が作曲した。同様に副主題歌「ロンリードラゴン」なども存在する。スタッフとしては監督が外山徹と田村正蔵で、アクション指導には高倉英二が参加している。

受容と影響

放送当時から反響が大きく、多くの視聴者を魅了した。同作品は、その後もさまざまなメディアで再評価され、映像ソフトとしてもリリースされた。特に、2020年には川崎市の劇場で全26話が一挙上映され、改めてその人気を確認した。

『闘え！ドラゴン』は、アクション性を高めたドラマであり、当時の空手ブームの一翼を担った名作である。この作品を通じて、視聴者は勇気や絆の大切さを学び、特に若い世代に強い影響を与えた。

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