宣弘社

宣弘社の歴史と業績

概要

宣弘社（せんこうしゃ）は、日本の広告事業からスタートし、1950年代から1970年代にかけてテレビ映画の制作に携わった制作プロダクションです。現在は、過去の作品の著作権管理を行う企業として活動しています。もともとは広告代理店として1941年に設立され、戦後は屋外広告事業を中心に成長を遂げました。

特に、国産初のテレビ映画とされる『月光仮面』の企画・制作で知られています。制作者には、小林利雄が関与していたことが特徴的です。彼は後に脚本家としても成功を収めました。また、当時の同社の企画課には後に人気作詞家となる阿久悠も在籍していました。

事業の変遷

2002年にサントリーが宣弘社の広告代理店事業を引き継ぎ、新たに「サン宣弘社」が設立されました。宣弘社は旧作の著作権を管理するため、社名を「宣弘企画」に変更し、引き続き権利管理を行っています。2011年には、広告業に特化した「電通アドギア」へと再命名され、現在まで続いています。

一方、2008年に宣弘企画が「宣弘社」の名を復活させ、現在も著作権管理や商品企画などを行っています。かつてのテレビ番組制作には関与していませんが、古い作品のリリースやキャラクターグッズの開発に寄与しています。

屋外広告のパイオニア

戦後の屋外広告における先駆者として、ネオンサインや屋外看板の制作に力を入れてきた宣弘社。その始まりは、小林利雄が復員して焼け野原の東京を目の当たりにし、アメリカのタイムズスクエアのネオンに触発されて「日本に明るい光を」という思いから始まりました。

この思いは、1946年に上野駅に設置された武田薬品のビルボードを皮切りに発展していき、1980年代にはネオンサインの全国展開にも成功しました。特に銀座を中心に全国各地で活動し、目を引く広告を数多く手がけました。

テレビ・ラジオ事業への進出

宣弘社は、1951年に民間ラジオ放送の開始とともにラジオ部を設立。その後、テレビの登場に合わせて1953年にはテレビ事業にも進出しました。1958年に放送された『月光仮面』は国産初の長編テレビ映画であり、数多くのヒット作を生み出すきっかけとなりました。

その後も、数々のヒーロー番組を製作し、特に『隠密剣士』や『光速エスパー』などは日本の特撮ヒーロー番組の礎を築きました。テレビドラマだけでなく、国内外での映像制作やキャラクター商品など、幅広いジャンルで活躍しました。

歴代社長と出身者

初代社長は小林利雄で、その後小林隆吉が引き継ぎました。歴代の主要なメンバーには、著名な作词家や脚本家が含まれ、特に伊上勝や阿久悠などが有名です。彼らは宣弘社での経験を皮切りに、独立した職業人となり、各分野で成功を収めました。

まとめ

戦後の日本において、宣弘社は広告の分野で革新を生み出し、その後テレビ映画制作においても重要な役割を果たしました。現在でもその影響は色濃く残り、過去の作品の管理や新たな商品開発を通じて、コンテンツの魅力を引き出し続けています。

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