コーラスライン (映画)

映画『コーラスライン』について

『コーラスライン』(A Chorus Line)は、1985年に公開されたアメリカのミュージカルドラマ映画です。監督を務めたのはリチャード・アッテンボローで、主演にはマイケル・ダグラスとテレンス・マンが名を連ねています。本作は、1975年に初演された同名のミュージカルを基に、アーノルド・シュルマンの脚本によって映画化されました。また、楽曲はマーヴィン・ハムリッシュとエドワード・クレバンが手がけています。物語は、新作ブロードウェイ・ミュージカルの役を得ようとするダンサーたちの厳しいオーディションを中心に展開されます。

1985年12月13日、コロンビア・ピクチャーズによって公開された本映画は、舞台版と比較して賛否が分かれました。製作費は約2500万ドルにもかかわらず、興行収入は1400万ドルと振るわなかったのです。

ストーリーの概要

物語は、ブロードウェイの劇場で行われるオーディションから始まります。暗い客席の中で演出家のザック（マイケル・ダグラス）が何十人ものダンサーを審査し、16名が最終選考に残ります。かつてのスターキャシー（アリソン・リード）は、仕事を求めて遅れてオーディションに参加します。実はザックは彼女の昔の恋人であり、キャシーは彼を置いてハリウッドへと移った過去があります。彼女は1年以上も仕事がない状態で、コーラスラインの役でも欲しいと思っています。

ザックは4人の男性と4人の女性の合計8人を求めており、参加者全員に自己紹介をさせながら、様々な質問を投げかけます。それぞれのダンサーが語ることで、役者として生きていくことの困難さが浮き彫りになります。キャシーが舞台に上がると、ザックは彼女の過去に対する思いから「コーラスはキャシーにふさわしくない」と考えますが、キャシーはそのオーディションにいる他のダンサーたちが素晴らしいことを認め、自分も彼らと共に踊りたいと訴えます。ザックは最終的に、キャシーに振付を学ばせることを決定します。

ダンサーたちの背景

オーディションが進む中で、他のダンサーたちもそれぞれの葛藤や過去を語ります。ポールは、幼少期にミュージカルを観たときに性的虐待を受けたエピソードをザックに話し、彼が同性愛者であることを両親が受け入れてくれなかった出来事も明かします。ザックは彼にハグをし、ポールは初めて愛情を感じる瞬間を体験します。これにより、オーディション参加者たちの絆が深まり、彼らの人生の物語が交錯していく様子が描かれます。

クライマックスと結末

最終的に、ザックは選ばれるダンサーたちを決定します。数ヶ月後、彼らは観客の前で「One」という曲を踊り、これまでの道のりを経て一つの舞台に立つ姿が印象的です。落選したダンサーたちも舞台に姿を現し、大勢のダンサーたちが集まるシーンで物語は結びつきます。

この作品は、発表当時から多くの人々に感動を与え、ダンサーたちの努力と夢を真摯に描いています。また、映画としての要素と舞台版の魅力が絶妙に融合している点でも、多くの観客に愛され続ける作品となりました。『コーラスライン』は、夢を追い求める全ての人々に勇気を与える感動作です。

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