ゴジカ

ゴジカ（午時花、学名: Pentapetes phoenicea）は、アオイ科またはアオギリ科に分類されるゴジカ属の多年草であり、同属では唯一の種です。その原産地はインド、東南アジアなどの熱帯アジア地域で、湿地や水田といった湿った環境を好んで生育します。

形態と特徴

ゴジカの草丈は50センチメートルから2メートル程度まで成長し、茎は直立します。葉は細長く、縁に鋸歯があり、茎に互い違いに生えます。特徴的なのは、その鮮やかな赤い花です。花は直径3センチメートルほどで、葉の付け根（葉腋）から1つから3つ程度が咲きます。花期は夏から秋にかけてで、昼頃に開花し、その日のうちに落花する一日花です。この性質から、「午時花」という名前が付けられました。果実は球形の蒴果で、萼に包まれており、内部には直径1ミリメートル程度の小さな種子が多数含まれています。

利用

原産地では、ゴジカの葉はお茶の代用品として利用され、また果実や根は薬用として用いられてきました。日本へは平安時代には既に伝わっており、観賞用として栽培されてきました。また、古くは薬用としての利用も確認されています。

その他

ゴジカと同じ「ゴジカ」という名前を持つ植物に、キンゴジカ（金午時花、学名: Sida rhombifolia L. subsp. Rhombifolia）があります。キンゴジカはアオイ科の植物で、黄色い花を咲かせ、日本の南部地域にも自生しています。ゴジカとは異なる種です。

ゴジカは、その美しい花と独特な性質から、古くから人々に親しまれてきた植物です。

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