ゴットフリート1世 (下ロートリンゲン公)

ゴットフリート1世：ロタリンギアの伯

ゴットフリート1世（またはゴドフロワ1世、Gottfried I./Godefroid Ier、940/45年 - 964年）は、10世紀中頃に活躍したロタリンギアの貴族です。ジラール家出身で、エノー伯（在位：958年 - 964年）、下ロタリンギア辺境伯（もしくは副公、在位：959年 - 964年）、ギルガウ伯（在位：962年 - 964年）を歴任しました。

生い立ちと家系

ゴットフリート1世は、ロタリンギア宮中伯兼ユーリヒガウ伯ゴットフリートと、西フランク王シャルル3世の娘エルマントルド（908/16年生）の間に生まれました。父ゴットフリートは、東フランク王ハインリヒ1世の姉妹オーダの子であり、王家のリウドルフィング家と親戚関係にありました。このような家柄から、ゴットフリート1世は幼い頃から将来を嘱望されていたと考えられます。

政治的な活躍

958年6月、ゴットフリート1世は、退位させられたエノー伯レニエ3世に代わってエノー伯位に就きました。さらにその一年後には、下ロタリンギア辺境伯（もしくは副公）の位を与えられました。これらの地位は、当時のロタリンギアにおいて重要な役割を担うものであり、ゴットフリート1世の政治的な手腕が評価されていたことがうかがえます。

ゴットフリート1世は、国王オットー1世のイタリア遠征にも従軍しました。この遠征には、トリーア大司教ハインリヒ1世など多くの家臣も同行していました。しかし、遠征中の964年夏、ゴットフリート1世は嗣子なく、疫病によりローマで亡くなりました。若くして亡くなったことは、当時の人々にとって大きな痛手だったと考えられます。

人物像

ゴットフリート1世は、ケルン大司教ブルーノに師事していました。ブルーノはゴットフリート1世にとって師であると同時に友人でもありました。ブルーノは925年生まれで953年に大司教となっています。このことから、ゴットフリート1世の生年は940年から945年の間と考えられています。

ゴットフリート1世は、若くして亡くなったものの、エノー伯、下ロタリンギア辺境伯などの要職を歴任し、ロタリンギアの政治に大きく貢献しました。彼の死は、ロタリンギアの歴史において一つの転換点となったと考えられています。

参考文献

Kurt Reindel: Gottfried. In: Neue Deutsche Biographie (NDB). Band 6, Duncker & Humblot, Berlin 1964, ISBN 3-428-00187-7, S. 661

外部リンク

Gottfried I. bei genealogie-mittelalter

もう一度検索