ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ

ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ：ビートルズのサイケデリック・ブラス・ナンバー

「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」(Got to Get You into My Life)は、1966年発表のビートルズアルバム『リボルバー』に収録されている楽曲です。レノン＝マッカートニー名義ながら、主にポール・マッカートニーによって作詞作曲され、彼がリードボーカルを務めています。

この曲は、ビートルズの楽曲としては初めてブラスセクションが導入されたことで知られています。モータウンサウンドの影響を受けたアレンジと、サイケデリックな雰囲気を漂わせる歌詞が特徴で、アルバムの中でも特に人気のある楽曲の一つに数えられています。

曲の構成とレコーディング

レコーディングは1966年4月から6月にかけて行われ、初期段階のアコースティックギターとハーモニウム主体のシンプルなアレンジから、ブラスセクションを含む華やかなサウンドへと大きく変化しました。ブラスセクションの録音には外部ミュージシャンが参加しており、その際、ファズギターも使用されています。完成版では、ブラスのファンファーレで始まり、マッカートニーのボーカル、コーラス、ギターソロ、そして再びブラスのファンファーレと、ダイナミックな構成となっています。

マッカートニー自身は、後にこの楽曲のテーマが「マリファナ」であると明かしており、その歌詞にもそれが反映されていると解釈されています。

リリースと評価

『リボルバー』アルバムのリリース後、この曲はシングルカットされることはありませんでしたが、ビートルズ解散から6年後の1976年に、コンピレーションアルバム『ロックンロール・ミュージック』からの先行シングルとしてアメリカで発売されました。すると、Billboard Hot 100で最高7位を記録する大ヒットとなり、年間ランキングにもランクインしました。この成功は、ビートルズの楽曲としての再評価を促す結果となりました。

音楽評論家からは、そのR&B的な要素や、特に楽曲のエンディングにおけるハリスンのギターソロが高く評価されています。ジョン・レノンも、この曲をポールの最高傑作の一つとして絶賛しています。

ライブ演奏とカバー

ビートルズは『リボルバー』収録楽曲をコンサートで演奏しないと決めており、この曲は活動期にはライブ演奏されることはありませんでした。しかし、その後ウイングスやマッカートニー自身のソロ活動において演奏されるようになり、現在でもライブ定番曲の一つとなっています。

多くのアーティストが「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」をカバーしています。中でも、アース・ウィンド・アンド・ファイアーによるカバーは特に有名で、シングルとして発売され全米でヒット、グラミー賞も受賞しました。また、クリフ・ベネット・アンド・ザ・レベル・ラウザーズによるカバーも、1966年に全英チャートで6位を記録するなど、高い人気を博しました。その他、様々なアーティストがそれぞれの解釈でこの曲をカバーし、その魅力を伝え続けています。

まとめ

「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」は、ブラスアレンジの素晴らしさ、サイケデリックな雰囲気、そしてマリファナを思わせる歌詞など、様々な要素が織りなす魅力的な楽曲です。ビートルズ後期作品の中でも特に人気が高く、今でも多くのリスナーを魅了し続けています。また、数々のアーティストによるカバーも存在し、その音楽的な影響力の大きさを示しています。

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