ゴドス軍

ゴドス軍の概要

ゴドス軍（またはコッズ部隊）は、1988年にイランのイスラム革命防衛隊の一部として設立され、特殊部隊として新たな役割を果たしてきました。彼らは主に国外での作戦を担当し、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ、イラク、シリアのシーア派民兵、さらにはパレスチナのハマースなど、様々な非国家主体に対し軍事的な支援をしています。このため、カナダ、アメリカ合衆国、サウジアラビア、バーレーンなどからはテロリスト組織と評価されています。

ゴドス軍は、アリー・ハーメネイー最高指導者に直属する組織であり、その指揮官は戦略的な判断を行っています。ガーセム・ソレイマーニーが彼らの最高指揮官であり続けたが、彼の死後はエスマーイール・ガーアーニーがその役割を引き継ぎました。現代のゴドス軍は、取り組む地域や状況に応じた数十の部隊に分かれ、特に中東におけるさまざまな紛争に関与しています。

組織構造

ゴドス軍は、約10,000から20,000人の兵士がいるとされていますが、その正確な人数は機密扱いです。また、彼らは「戦闘員」と「外国資産を訓練・監督する者」に分類され、諜報活動、破壊行動、特殊作戦など多くの部門で活動しています。元米軍情報将校が述べたように、ゴドス軍は地理的位置に基づき複数の部門に分かれた複雑な組織構造を有し、イラン国内でも訓練が行われることが多いです。特に、イラクの作戦本部はイラン・イラク国境に位置しており、イラクでの活動の監督を強化しています。

活動の実態

ゴドス軍は、アフガニスタン、イスラエル、イラク、南アメリカなど、さまざまな地域で活動を行っています。アフガニスタンでは、シーア派のグループ、ヒズベ・ワフダートの支援をする一方で、最近ではタリバンへの支持が指摘されています。イラクでは、攻撃的な作戦に頻繁に関与し、米軍との戦闘で特に存在感を示しています。また、インドのイスラエル外交官に対する攻撃にも関与したとされ、その活動は国際的に多岐にわたります。

南アメリカでは、特にベネズエラでの影響力を強めており、イランのゴドス軍がこの地域で様々な「破壊活動」に関与しているとの見解も示されています。これに対し、イラン側は地域の安定を確保するための戦略的な行動だと主張しています。

予算と資金源

ゴドス軍の資金は中国企業との関係を通じて流入することが指摘されています。また、近年の情報では、彼らの予算は巨額であり、2024年には約7.7兆ドルという数字が漏洩されました。

結論

ゴドス軍はその多様な活動と影響力のために、国際社会からの注目を集め続けています。その特有の運営モデルと国際的な軍事作戦への関与が、今後の地政学的なダイナミクスにどう影響を与えるかが議論されています。

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