ゴニウム

ゴニウム (Gonium) の概要

ゴニウムはボルボックス目に属する藻類であり、特有の運動性を持つ細胞群体が形成されることが大きな特徴です。この藻類の群体は扁平な四角形の形をしており、個々の細胞はクラミドモナスに似た特徴を持っています。一般的に、ゴニウムの細胞数は8から16個の範囲であり、これらの細胞が側面で接触し、平板状の群体が作られます。

特徴

ゴニウムの細胞は球形で、葉緑体はカップ形をしています。眼点は赤道線上に形成され、細胞の後方には1つのピレノイドが位置しています。ゴニウムは、二本の等長の鞭毛を持ち、二つの収縮胞も特徴の一つです。最も代表的な種であるG. pectoraleの場合、細胞径は7から11μmほどで、群体全体の直径は約50μmです。この群体では、16個の細胞が配置され、外側に3個ずつが四方向に並び、正方形の辺を形作ります。そこにさらに、内側に4個の細胞が方形に並び、全体としては共通のゼラチン質に覆われています。

また、群体の形は正方形の四隅が切り落とされたようになっており、細胞間には多数の小さな穴があります。さらに、8細胞の群体を持つ種もあり、その場合には4つの細胞が並び、それが互い違いに2列配置される形を取ります。この場合もやはりゼラチン質に包まれています。全体としては長い平行四辺形の形となります。

日本語では「ヒラタヒゲマワリ」という名で知られている場合もありますが、これはG. pectoraleに限定されることが多いです。近年では他の名前を挙げない文献も増えてきています。

生育環境

ゴニウムは池や田んぼなどの淡水環境でよく観察されます。特にG. pectoraleは春から夏にかけて大発生し、『水の華』と呼ばれる現象を引き起こすことがあります。この現象は、群体が大量に繁殖し、水面に漂う形で現れることが知られています。

分類

現在、ゴニウム属には世界中で9種類が報告されており、日本ではそのうち4種類が確認されています。日本で一般的に知られているのはG. pectoraleです。似た特徴を持つシアワセモ (Tetrabaena) は、クラミドモナス様の細胞が側面で接触しながら4個の細胞を持つ点が特徴的で、場合によってはゴニウム属に含める提案もされています。

結論

このように、ゴニウムはユニークな形態と生態を持つ藻類であり、特定の水域に生息することで知られています。生育環境や群体の構造において、他の藻類とは異なる特性を持っており、これらを理解することは水環境の生態系を知る上で重要です。

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